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カテゴリ:萬葉集古義
今年も合歓の花を見ることなく終わってしまった。
もしかして、山の中に分け入ってみれば この花に出会うこともあるのかもしれないけれど 今の自分には、とてもそんな体力はない。 合歓の花・・・まるで夢見るように咲く花である。 親しきはうすくれなゐの合歓の花 むらがり匂ふ旅の宿りに 斎藤茂吉 また、万葉集の中では 紀女郎が 我が身を合歓の花になぞらえつつ詠っている。 昼は咲き 夜は恋ひ寝る合歓木の花 君のみ見めや 戯奴さへに見よ 紀女郎 万葉集巻8 愛読する萬葉集古義より。 晝者咲 夜者戀宿 合歡木花 君耳將見哉 和氣佐倍爾見代 ひるはさき よるはこひぬる ねぶのはな あれのみみめや わけさへにみよ 夜者戀宿は、夜ひとりぬる人の、人をこひしく思ひてぬるによそへて 戀宿(こひぬる)と云り、 晝は見事にさきたれど、夜になれば、獨宿する吾身の、人を戀しくのみ思ひて、 戀倦じてうなたれ宿る如き、この合歡木の花を 嗚呼(あはれ)さてもいとほしやと、吾のみひとり見てあるべしやは、 いかでひとりのみ見てはあらむ、と其方までに見せむがため、折てまゐらするなり、 是を一目見給ひて、あはれとおぼし給へ、となるべし お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.02.22 11:57:33
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