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カテゴリ:生きていくこと
数日前、九州から両親が我が家に来ていましたため
慌ただしく過ごしておりました。 思えば・・若かった両親もいつしか70代中盤。 九州からこの関西へ2人揃ってきてくれるのも これからはもうないのだろうなと思います。 我が家での滞在を終え帰途につく両親を駅まで見送りましたが、 こうやって両親のすぐそばにいられるのも あと数えるほどしかないのだと。 やがて電車がホームに入り、両親が乗り込み じゃあね、と手を振る。 ・・・電車が見えなくなるまで ずっと見送っていました。 ついさっきまで そばにいてくれたはずの両親。 ホームに佇みながら ああ、また独りだと思いました。 私は、父が22歳、母が23歳の時の子供ですので 両親の20代の時をおぼろげながら覚えています。 今から40年以上も昔 あのころは両親もまだ30代の若さで、私たち子供も幼く 我が家はいつも賑やかでした。 毎年秋になりますと、地域で運動会が催されていたのですが 地域対抗リレーでは父がいつもアンカーを任され、 父がバトンを受け取るやいなや次々に前を走る人々を抜いてゆくのです。 その走りの、鮮やかだったこと。 その時の姿は今も私の瞼に焼き付いています。 ・・その両親も、いつしか70代中盤。 このたび2年ぶりに両親に会ったわけではありますが 2年前と比べ、確実に老いのやってきていることを痛感しました。 両親も自らの老いに直面し これからの人生を、その老いを受け入れながら そして時には抗いながら生きていくのでしょう。 ホームで両親を見送り、次第に小さくなってゆく電車を見つめながら 両親も、そして私も それぞれの立場で ひたすら前に進んでいくしかないのだと思いました。 両親も、(当然のことながら)昔から今の年齢であったわけではなく 70代中盤という、はじめての世界に戸惑いながらの毎日であると思います。 私自身も、おかしいな、私、ついこの前まで 20歳だったような気がするんだけどな・・・などと独り言ちつつ(笑) 現実には50代前半になってしまっているわけです。 ・・この世には 変わらぬものなど何ひとつとしてない。 頭では、理論としては理解できるのでしょうが それを自分のこととして真に納得するには まだまだ時間と経験とが必要なのだと思います。 百合とはじかみ賜ひき さはれつゆの身よ 夏いつまでの夕ぐれならむ 塚本邦雄 昨日の夕方、近所を少し散策してみました。 山々の樹々が風になびき 葉は翻り 夕暮れの光がひろがっていました。 その透明な光、風。 時よ止まれと祈りつつ けれど その祈りもかなわぬままに すべては流れ去ってゆきます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.06.22 11:03:52
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