道策流布石入門
今使えるか、と問われれば難しい・・と言わざるを得ません。なぜなら江戸時代には星に打たなかったのでいま同じ形になるケースが少ないからです。でも興味のある方は見て下さいませ。第1図 道策先生の特徴は、この形です。これ模様を作るためにカケているのではなく、相手を凝り形にしてやろうという趣旨なのです。故梶原武雄先生がよくやってました。第2図 カカった場合道策先生がカカってきたら、次の狙いは明白なので・・受ける人が多かったんです。道策先生はカカってコスミに受けさせたら、それで満足して他方面に転じる事が多かった。右図の白1のカカリに黒2のコスミと受けさせたら、その交換をキカシと考えていたのです。第3図 一間ハサミ安井家の棋士は道策先生にやられっぱなしでした。当然いろいろ対策を考えました。天地明察の主人公、算哲先生の対策は一間に狭くハサむというものでした。道策VS算哲戦にはこの形が頻出しています。第4図 カカった石を捨てるのが道策流私が道策流の布石を見て理解できなかったのは現代の定石書しか読んでいなかったからだ。なぜ定石書に載っていないのか。答えは簡単だ。すぐに動き出すのは部分図で説明できるが、捨て方を説明しようとすると全局図で説明しなければならない。それを説明したら最早定石書ではないからだ。残念ながら「道策流 捨て石の極意」という本は出版されていない。将棋界に「大山流 受け潰しの極意」とか「中原流 入玉の極意」という本が出版されていないのと同じ理由だろう。この恐るべき世界を解説しようとした凄い本があるのだ。「玄妙道策」という本は酒井猛・故中山典之両先生、渾身の力作だが楽天ブックスにはないようだ。アマゾンで中古が出品されている。ぜひお持ちでない方は買って欲しい。つづくにほんブログ村ランキングに参加しています。応援のクリックをお願い致します。