4月15日の日記「余命宣告を受けて癌と闘う義父 ケーキを食べさせてあげたい」を書いてから２ヶ月以上経ちました。
腹部の手術を受けてからしばらく経過した頃から、食事が出来るようになっていました。
少しだけ、帰宅が出来る時もあったので、
義母は、義父が「食べたい」と言う物をせっせと用意して、食べさせてあげていたようです。
義父の癌（ガン）が出来た原因は、アスベストである事もわかりました。
義父は若い頃にアスベストを扱う仕事をしていたそうです。
病名は「中皮腫（チュウヒシュ）」と言うそうです。
「アスベストが原因で発症する病気」（http://asubesutos.com/no3.html）より引用
【悪性中皮腫】
肺を取り囲む胸膜、肝臓や胃などの臓器を囲む腹膜、心臓及び大血管の起始部を覆う心膜等にできる悪性の腫瘍です。
若い時期にアスベストを吸い込んだ方のほうが悪性中皮腫になりやすいことが知られています。
潜伏期間は２０～５０年といわれています。治療法には外科治療、抗がん剤治療、放射線治療などがあります。
とても切ないです。
先週の医師と家族の話し合いで、
「中皮腫、癌の治療は行わない」
「容態が良い間に一時退院をしよう」
と言う事にしたようです。
しかし、その直後に容態が急変しました。
腹痛が起こり始め、再び絶食となり、一時退院は出来ませんでした。
そして、鎮痛剤の投与が始まりました。
次第に鎮痛剤が効かなくなって来て、とうとうモルヒネの座薬を使っています。
「一時帰宅をしたいなら、今の内に」と医師から言われたそうです。
モルヒネの点滴投与が始まると、もう意識が無くなって来るそうです。
もう以後、今以上に容態の良くなる事はなさそうです。
つまり、悪くなる一方だと言う事です。
15日の父の日に、さぁちゃんを連れて、義父の病室を訪ねました。
孫のさぁちゃんを見る「じいちゃん」の顔は穏やかでした。
少し前に座薬を入れたそうなので、薬が効いていたからでしょう。
前日まで不機嫌だったと聞いていたので、少しホッとしました。
父の日なのに、何を贈って良いものやら、悩んでいました。
何も飲食は出来ないし、パジャマや身の回りの物も間に合っていそうだし。
そんな時、義父が言いました、
「テレビを見るだけしか楽しみがない」
病室でテレビを見るためには、有料のカードが必要です。
それで、そのカードを買うためのお金を贈る事にしました。
私が入院をしていた時の事、絶対安静で、食事と、テレビを見る事と、家族が来てくれる事が楽しみだったのを思い出しました。
食事が出来ないんだから、グルメ番組とか見るのは嫌だろうなーとか、考えちゃいます。
しかし、それ以上に、今、どんな気持ちでいるんだろう・・・と考えると、涙が出て来そうになります。
まだ60歳、もっともっとしたい事があったでしょうに・・・。
私が、あと1ヶ月しか生きられないとしたら、私はどうなるでしょう？
その1ヶ月の間に何をするでしょう？
・・・想像がつきません。
子供たちの成長を見守りたい、家族と一緒にいたい、あれもしたい、これもしたい、
嫌だ、嫌だ、嫌だー、死にたくない！
・・・だよね？ そうだよね？ 死にたくないよね。
「もう少しで死ぬ」とわかっている人に対して、
どう接したらいいのか、何をどうしたらいいのか、
わからないでいる私がいます。
