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「契きな かた身に袖を しぼりつゝ 末の松山 浪越さじとは」
百人一首の一つ、清原元輔の歌である。 今年のお正月に百人一首講座を担当するにあたり、和歌を調べているとき ちょっと気になっていたのだが、先に調べなければならないことが たくさんあったので、後回しにしているうちに、忘れていた。 次年度以降の新規講座営業用に資料を作っているときに ふいに思い出して、調べてみた。 何が気になったか、というと、「浪越さじ」の表現である。 これは、もしかしたら、津波を意味するのではないか、と思ったのだ。 はっきりとはわからないが、やはり、この歌は 貞観の大地震の津波で、助かった多賀城の松のことを 歌った歌であるようだ。 飲み屋のおかみさんが、客の一人に化けた猩々を殺してその 血をうろうとしているのを、店の子が気付き、猩々に教えたところ、 猩々がその子に「自分が殺されたら、空が黒くなるから、そうなったら 松の根元まで逃げろ」と教えられ、数日後に空が暗くなったので いちもくさんにその松まで逃げて、その子は助かった、という 伝説が、多賀城には残されているそうだ。その、松がこの 歌に歌われた松なのだ。 一説によると、京都・祇園祭りは、貞観の大地震で亡くなった方への 鎮魂祭だ、とも言われている。祇園祭の発祥については、諸説あるので ここでは詳細を述べるつもりはないが、そういう意見もある、と紹介だけ しておく。 いずれにしても、ちゃんと、百人一首にも、津波のことは記されていた。 温故知新。 古典には、知恵があふれている、と思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年02月10日 12時15分08秒
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