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2012年02月10日
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「契きな かた身に袖を しぼりつゝ 末の松山 浪越さじとは」
百人一首の一つ、清原元輔の歌である。

今年のお正月に百人一首講座を担当するにあたり、和歌を調べているとき
ちょっと気になっていたのだが、先に調べなければならないことが
たくさんあったので、後回しにしているうちに、忘れていた。

次年度以降の新規講座営業用に資料を作っているときに
ふいに思い出して、調べてみた。

何が気になったか、というと、「浪越さじ」の表現である。
これは、もしかしたら、津波を意味するのではないか、と思ったのだ。

はっきりとはわからないが、やはり、この歌は
貞観の大地震の津波で、助かった多賀城の松のことを
歌った歌であるようだ。

飲み屋のおかみさんが、客の一人に化けた猩々を殺してその
血をうろうとしているのを、店の子が気付き、猩々に教えたところ、
猩々がその子に「自分が殺されたら、空が黒くなるから、そうなったら
松の根元まで逃げろ」と教えられ、数日後に空が暗くなったので
いちもくさんにその松まで逃げて、その子は助かった、という
伝説が、多賀城には残されているそうだ。その、松がこの
歌に歌われた松なのだ。

一説によると、京都・祇園祭りは、貞観の大地震で亡くなった方への
鎮魂祭だ、とも言われている。祇園祭の発祥については、諸説あるので
ここでは詳細を述べるつもりはないが、そういう意見もある、と紹介だけ
しておく。

いずれにしても、ちゃんと、百人一首にも、津波のことは記されていた。

温故知新。

古典には、知恵があふれている、と思った。





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最終更新日  2012年02月10日 12時15分08秒



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