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昨日、ある方のパソコン指導に行った。
ここでは、「たかちゃん」と呼ぶことにする。 たかちゃんはワープロを使っていた。 しかし、愛用のワープロを震災で壊してしまい パソコンのワープロソフトを使って日記を書こうとしている。 だから私はたかちゃんにパソコンと従来のワープロの操作の違いを教えに通っていた。 たかちゃんは、私の前ではパソコンを操作しない。 私の操作をじっと見て、それを覚えて、私が帰ったあと、復習するらしい。 だから、1回2時間の指導で教えられることは1つか2つ。 メモもとらず、操作も一緒にしないので、同じことを繰り返し指導に通う。 2時間の指導の間に、世間話やコーヒーブレイク、ティータイム、おやつの時間をとる。 お話している間中、たかちゃんは私をからかったり、昔話をする。 おいしいお菓子を準備していて、私がそれをほおばるのを喜ぶ。 たまに、辛いものを出してきて、私が驚くのを見ては大笑いする。 そして、私が帰るときには、次の予約の日時を約束する。 約束の時刻にちょっとでも遅れるとたかちゃんは怒るので、 私は相当遅めの時刻を言う。私の家からたかちゃんのところは 高速を使って移動するほどの距離だから、渋滞に巻き込まれたり 高速が通行止めになったときのことを考えると、1時間くらい遅く 約束をしておかないと心配。 雪深い地区だから、これだけは用心しなければいけない。 昨日、帰るときに、いつものように私は聞いた。 「次はいつ、伺いましょうか?」 たかちゃんの返事はこうだった。 「次の予約は入れません。病院通いが忙しくなったから。 医者にも、自分の病気治療に専念すべき時期になった、と言われた。 体調が戻ったらこちらから連絡します。 そのときはお願いします。」 たかちゃんは、発病したら1年後の生存確率が非常に低い 病気にかかっていた。半年ほど前、私が通うようになったときから この日が来るのを知らされていた。 だから、私がいる間、できるだけたかちゃんを笑わせた。 笑って、元気と気力を持ち直してもらいたかった。 昨日は動かないからだを無理して外まで見送りに出たたかちゃん。 竹の棒にすがるようにして、私の車を見送ってくれた。 私も、バックミラーにたかちゃんの姿が見える間、笑って 手を振り続けた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年03月19日 05時53分02秒
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