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2012年10月05日
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10月4日、木曜日。
「源氏物語 若菜」の講座を行う。

13時30分開講。その5分前には、ほぼ全員が着席している。
最前列には、顔見知りが3人、陣取ってくれた。知り合いが近くにいるのは心強い。
その後ろにも今まで何度も受講してくれている人たちが座っている。
全体を見渡すと、3割くらいは、どこかで私の講座を受講してくれた人だ。
思っていたよりも多くて安心した。

しかし、何か雰囲気が違う。

3人掛けの長テーブルなのだが、隣り合った人同士でおしゃべりを
していないのだ。人がびっしりなのに、水を打ったような静けさ。

私はいたたまれなくなって、お手洗いに駆け込んだ。

どうしよう・・・
やっぱり、この仕事を引き受けるんじゃなかった。
いや、これは私から提案した講座。
力不足なのに、こんな講座を提案するんじゃなかった。

本気でこのまま帰ろう、と思った。
怖くて、会場に戻れない。
体の痛さも忘れていた。

見ると、握ったこぶしがブルブル震えている。
全身から汗が噴き出している。
帰りたい。

そのとき気づいた。
今日は体の調子が悪いから、送ってもらったのだ。
逃げ出すにも、帰る車がない。

逃げ道を断ち切られた思いがした。
そして、頭から冷水を浴びせられた気がした。

ここで逃げたら、「源氏物語 若菜(上下)」を楽しみに
してくれた人を落胆させてしまうことになる。

奥歯をかみしめて大きく息を吐いた。

会場に戻ると、また、あの静けさ。

主催者が前に出てきた。
いよいよ始まる。

「これから、源氏物語 若菜の講座全2回の講座を始めます。
担当の先生は宗像真紀子先生です。」

拍手とともに、みんなの視線が私に集まる。

「私が今、ここに立っているのは、小学六年のときの卒業文集に
担任の先生が、私のことを
『紫式部の子供のころはこんな子だったのだろうな、と思うような子だ。』
と書いてくださったことがあるからです。
担任の先生のこの言葉がなければ、私はここまで源氏物語に
こだわり、知ろうと努力しなかったことは間違いありません。」

そして、源氏物語に詳しい人も初心者もいるこの講座だから、ということで
第一部、第二部、第三部、とざっとあらすじを話した。

「源氏物語70年、全54帖を、5分間で説明し終わりました。
では、これで終わります。」
と頭を下げたら、大爆笑となった。

よかった、これだから、リピーターがいてくれると、笑いどころを
知っていて、盛り上げてくれるのだ。ありがたい。

当時の結婚(正妻・妻・妾・召人、その他恋の相手)について
簡単に説明を加え、正妻格だった紫の上と、正妻となった
女三宮を比較・説明した。
そして、原文。

紫の上と女三宮との対面と、紫の上の落胆について
原文に沿って説明。
「あの、六条の大邸を一手にとりまとめる正妻が、
こんな、幼い女性であること。これは、事前に知っては
いたが、会話しようとしても、教養あふれる会話は
成り立たず、やっとお人形遊び、おままごとで
会話が成り立つとは・・・それまで誇り高く
源氏を支えていた紫の上にとって、これほどの落胆は
想像をはるかに超えていたのです。これなら、病気にも
なるでしょう・・・」
と話すと、みなさん、大きくうなずいてくれた。

その後、紫の上のライバルだった明石の方との対面について
「あれだけ大勢の女がいる中で、誰一人、明石の方について
悪口を言わないなんて!八方美人なんて足りない。十六方、
三十二方、いや、六十四方美人です。みなさんも、これから、
『あなた、八方美人ね』なんて言われたら、『いやいや、まだまだ
目標は六十四方美人です』と答えましょう。」
というと、窓ガラスが震えるほどの笑い声が起こった。

女楽を説明するところでは、ヴィヴァルディの弦楽四重奏の
CDを流して、それぞれの旋律に耳を傾け、紫式部の
描写の素晴らしさに気づいてもらった。

「次回は、明石入道の遺言をやります。これは、
源氏物語の中で、私が大泣きしたところです。
ぜひ、ご期待ください。」
といって終わると、大きな拍手が起きた。

よかった。
次回も、精一杯がんばろう。





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最終更新日  2012年10月17日 11時25分26秒
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