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2013年07月10日
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2013年7月9日、高齢者教養講座(あさかの学園)の
「平安女性日記文学」講座の顛末

会場に着いたら、大会議室に80人くらいの出席者。
思った以上の人数に、そのまま、まわれ右をして帰りたくなった私。

残念なことに、駐車場から会場まで、荷物運びを手伝ってくださる
方が横にいたので、脱走は失敗(当たり前だ!)

顔は笑顔のお面をつけ、背中は暑さのせいの汗か冷や汗か脂汗か
わからないけれど、絞れるほどの汗をかいて、会場入り。

立派で気おくれしそうな演台には、おしぼりと水差しが置かれている。
端っこにサイドテーブルを引っ張り出して、そこに荷物をひろげようとしていると、
会員さんが、わざわざその立派で気おくれしそうな演台を引っ張って
(さぞや、重かったでしょうに)

「先生、どうぞ、こちらをお使いください。」

・・・
いや、あの、この演台では、あがっちゃいそうなので、

とも言えず、笑顔仮面のまま

「はい、ありがとうございます。」

そして、いよいよ、開始時刻となった。

「起立!」
の号令で、受講生全員が立ち上がる。

「よろしくお願いします!」
と45度の礼(これは、敬礼だ!)を受ける。

もう、後には引けない。
ええい、ままよ・・・

「平安日記文学、といえば、やはり、紀貫之の『土佐日記』です。」

受講生の中からちょっとしたざわめきが起こる。
そりゃぁそうでしょう。紀貫之は男だ。
今回の演目は、「平安【女性】日記文学」だから。

よっしゃ、つかんだ!

「平安時代、まともな文章、というのは真名、つまり漢字で書かれた
漢文です。けれども、これでは、心の機微や日本的な情趣をうまく
表現できない。1,200年前の、キャリア官僚で和歌などの文芸でも
第一人者であった紀貫之は、この、日本的感性をどうやって表現するか、
これに挑戦するために、『土佐日記』を仮名で、当時の日本語表現で
書いたのです。ただ、キャリア官僚である、という立場なのか、誇りなのか、
この仮名で自分が日記を書く、ということに、さすがの紀貫之にも
引け目があったのでしょうか、とりあえず、この日記は女性が書いた、
ということにしよう、ということで、『男もすなる日記というものを女も
してみんとてするなり』という冒頭になるわけです。」

このあと、道綱母の蜻蛉日記で、いかに道綱母が裁縫がうまかったか、
(当時、裁縫の一目の幅は、10cm!だから、着物などはあっという間に
縫い上げることができる)などの裏話。
和泉式部の恋多き女(兄弟皇子に愛された)のエピソード。
紫式部日記からは、五十日の祝の国宝絵巻をプロジェクタで投影し、
「現代の宴会と、ほとんど変わらないですね。」
(若い貴族が女官の手をとって口説いている絵。国宝にもこんな絵がありますよ)

そして、紫式部が清少納言を、
「あんな、知ったかぶり女の行く末がいいはずがない」
とこきおろすところを原文で朗読すると、みなさん、驚きと同時に大喜びされた。

本当は、更級日記もやりたかったが、時間がなくなったので、割愛。
最後に、「成尋阿闍梨母集」を語る。

これは、60歳で宋に仏教の修行に行く決意をした成尋阿闍梨の母が
息子の安否を気遣いつつ再会を待つ、原文を読むだけでも涙が
あふれる日記である。

結局、息子は日本に戻ることなく、そして、母親は、おそらく、
息子が日本に戻ることのないことを知って傷心のうちに亡くなった
のであろう、日記は息子の帰国を待ちわびながら、目が見えなくなる
ほど泣き暮らしている、というところで終っている。

この作品を鑑賞して、時間が終わった。

終ったときには、受講生さんから、拍手をもらった。

それなりに、うまくいった、と思う。

昨日の書き込みで心配して下さったみなさん、
お騒がせいたしました。
ありがとうございました。

笑いあり、涙ありの、私らしい講座になったと思います。





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最終更新日  2013年07月10日 06時14分05秒
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