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2014年11月10日
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今、一番食べたいラーメンは、と聞かれたら
迷わず

丸長の「スタミナラーメン」

と答える。

山手線、目白駅改札を左に出て、200mほど行った、
目白通り沿いにその店はある。

あ、ちなみに、目白駅は、山手線であるにも
かかわらず、改札は一つしかない。

大学時代、目白に住んでいた私は、時折、
その店のスタミナがどうしても食べたくなって
たまらなくなるときがあった。

その店を知ったのは、大学1年のとき。

当時、目白警察のすぐ裏の女子寮に住んでいた。

ある、土曜日の昼。

当時は土曜日は午前のみ授業だったので、
午前の授業を受けて、寮に帰宅したとき、
先輩があわてて飛び出してくるのに出くわした。

何事か、と怪訝な顔をした私に彼女は、

「急に丸長のラーメンが食べたくなったの。」

と少しはにかみながら言った。

「売り切れたらいやだから、急いでいるの。」

そう言って、走って出て行った。

普段、とてもおしとやかな彼女からは
想像できない様子に、びっくりした。

そのことを同じ寮に住む友達に話したら、
丸長というのは駅の向こう側の小さなラーメン屋の
ことだ、と教えてくれた。

それでは、と別の日にその子と二人で
行ってみた。

店の構えは小さなラーメン屋で、女の子が
入るにはちょっと気の引ける感じだったが、
あの先輩が一人で出かけたのだから、と
思い切って暖簾をくぐった。

中はカウンターとテーブル席で全部で10人も
入れば満席ではないか、と思うような小さな
店だった。

「ラーメン、二つ」

と注文して、周囲を見ると、ほかは男性ばかりだった。

彼らが注文するのは、ほとんどが「スタミナ」
ときどき、「つけ麺」という注文もある。

少し待って、ラーメンが来た。

食べたが、味が濃く脂がきつくて、私の口にはあわない。
一緒に行った友人も、正直、びっくりしていた。

確かに、若い男性なら、これもおいしいのかも
しれないが、あの、上品でおだやかな先輩が
夢中になるようなラーメンか、と驚いた。

そのまま、半月ほど過ぎた。

が、やはり私は、あのときの先輩の様子が
どうしても腑に落ちない。

もう一度、今度はスタミナラーメンかつけ麺で
挑戦しよう、と友人に声をかけたが、彼女は
もういい、という。

かといって、私一人であの店に入るのは
まだ、どうしても抵抗がある。

そこで、大学のサークルの友だちに声をかけた。
サークルの友人や先輩は、丸長には行ったことは
ない、という。
しかし、土曜日の昼ご飯にみんなで食べに
行ってみよう、ということになった。

次の土曜日、先遣隊として、私と男子2名の
3人で行ってみた。(他のメンバーは、その
評判で行くかどうか、決める、という)

中に入って座り、私はつけ麺、ほかの二人は
スタミナラーメンを注文した。

少しして、スタミナラーメンが来た。

大き目のすり鉢に入ったそのラーメンは
ニラやもやし、細切り肉が白濁スープの
上に盛り上げられていた。
スープのにおいはニンニクのにおいが強烈で、
スープには少し、唐辛子が浮いていたように
思った。

うわっ!これはラーメンよりすごい!

と思っていたら、つけ麺も来た。

麺をつけだれにつけて、一口、すすった。

うわっ!これは・・・

おいしい~~~

目が星と輝き、髪がふわっと風にそよぎ、
ダイヤモンドの雪がピンクの背景に舞う、
アニメの世界のような気持ちになった。

二口、三口、と箸が進む。

最初に来たときに、これを頼めばよかった、と
悔しくも悲しくなるほど、おいしかった。

他の二人は残念だろう、とフフン、という
気持ちで様子を見た。


ズーズー、ザーザーと、かきこむように
ラーメンをすすりあげる二人が
そこにはいた。

え、どうしたの?と顔を覗くと

「ふまひ、ほへ、ほんほに、ふまひ!」
(うまい、これ、ほんとに、うまい!)

口いっぱいにほおばって、それでも食べるのを
止められない二人。

顔を上げると、汗なんだか鼻水なんだか
よくわからないが、びしょびしょに
なりながら眼だけが異様に輝いている。

ちょっと、お味見させて、と横から
手を出して、私のつけ麺(惜しかったが)
と交換で食べてみた。

最初の一口は、あまりの強烈さに
おののいた。が、二口目をほおばった
瞬間、文字通り、倒れそうになった。

ニンニクとニラと白濁スープと麺の
個性の自己主張のせめぎあい。

お味見どころか、渡すのがいやに
なるほど、食べ続けたくなるおいしさ。

しかし、奪い返されてしまった。
もちろん、つけ麺も最高においしい。
が、スタミナは、スタミナは・・・

もっと食べたい、全部食べたい!


ということで、次の土曜日の昼には、
サークルのみんなで丸長スタミナラーメンを
食べに行った。

この、スタミナラーメンとつけ麺の
話を最初に一緒に行ってくれた友達に
言ったが、なかなか信じてもらえなかった。

その後、大学4年の春に寮が閉館となり、友人とは
別々の場所で生活することとなった。

私は、目白のアパートに、彼女は巣鴨に。

ある時、その友人が私のアパートに遊びに来た。

おしゃべりをして、さて、昼をどこにしよう、と
尋ねたら、彼女は

「丸長のスタミナラーメン。久しぶりに食べたい。」

驚く私に、彼女は白状した

「あのあとね、気になって、女子大の友だちと
行った。そのとき、まわりのみんながスタミナラーメンを
頼んでたから、思い切って頼んだら、くせになった。」

と。

うん、うん、そうだろう、そうだろう。

目白通り沿いにある別のラーメン屋にも
スタミナラーメンは置いてあったので、
頼んだことがある。

おいしくはあったが、丸長のスタミナラーメンの
あのパンチ力(ほとんど破壊力)、具材のバランス
には、遠く及ばなかった。


最近、夫が東京出張の時間調整で目白の丸長に
行った。

場所はそのままで、カウンター席だけだった、と夫。

開店前に20人ほど並んでいて、頼む人は
ほとんどがつけ麺だったそうだ。

私が行っていたころは、つけ麺は一種類だったが、
夫いわく、つけ麺の種類が豊富だったから、
野菜つけ麺を食べた、という。

メニューにはスタミナラーメンがあったが、
自分が食べている間にスタミナラーメンを
頼む人はいなかったように思う、と。

味が変わったのかもしれない。

あるいは、食べた後のにおいの強烈さに
少し敬遠されるのかもしれない。

しかし、夫のこのレポートを聞いて
どうしても丸長のスタミナラーメンが
食べたくてしかたがない。



あの先輩があの時、食べたい、と走って
行ったのは、やはりスタミナラーメン
のことだった。

これは、私がスタミナラーメンを初めて
食べた日、寮に戻って廊下を歩いている
先輩とすれ違った瞬間、袖をつかまれ、

「今日、丸長に行った?」

と聞かれたときに判明した。彼女にとっては
丸長のラーメン=スタミナラーメン以外に
ありえない、ということだった。





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最終更新日  2014年11月10日 20時02分34秒
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