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テーマ:お勧めの本(7363)
カテゴリ:子ども界のコト
(森昭雄 著/日本放送出版協会)
要するに、脳の中で人を人たらしめている部分=大脳皮質の前頭前野(おでこの辺り)の活動が著しく低下するんだ、ゲームを続けていると。 前頭前野は他の動物ではほとんど発達していません。 前頭前野が発達しているから、人は憶えたことを組み立てなおして創意工夫を凝らすことができるのです。 古い脳からの指令(本能)を適度に押さえるのも、前頭前野の仕事です。 人望が厚く穏やかだった人が、事故により前頭前野が壊れた事で、無責任でキレやすい暴力的な人間になったという実話もあります。 ゲーム漬けの生活を送っている人の脳は、認知症(痴呆症)の脳とよく似た脳波を示します。 ゲームは集中力を高めるとか(指の)反射神経が発達するなどの良い面があると言われていますが、それが全くのウソ(誤解)であることが、脳波計測によるデータで実証されています。 一瞬で画面を見て状況を判断し素早く行動に移すといった一連の動作を見ると、ゲームを行うには活発な脳活動が必要であるように思いますが、実は、慣れてしまったゲームは単純作業の繰り返しなのです。 単純作業ですから脳の中で短縮経路(ショートカット)が形成され、この時、前頭前野を経由する回路が省略されてしまいます。 つまり、ゲームをやればやるほど、前頭前野の働く場面が少なくなる=活動が低下するというわけです。 ゲームの種類によっては、前頭前野が十分に働けるものもありますし、ゲームソフトメーカーもその点に配慮したゲームを制作するよう考え始めているそうです。 私の友人にはゲームソフトメーカーに勤めていた子もいるし(学業優秀で頭良いのよ)、ゲームのやりすぎで大学留年しまくった子も知ってるし、で、私自身はゲームの善悪についてはなんとも言えないのです。 ただ、小さい子にはゲームはやらせちゃダメだと思うし、ゲームやるなら10才すぎてからって思います。 本の中にも、「ゲーム中毒は幼児期に形成」されると紹介されています。 本の内容はかなり専門的なので読み砕くのに少々骨を折りますが、今流行の「脳」について詳しく説明されているので、その分野に興味のある人には楽しく(?)読めると思います。 逆に、導入部分などを読んでいると著者にはゲームに対して強い偏見があるように感じるので、これを読んだゲーム好きの人は不愉快に思うだろうし反発だって招きかねません。 でも、現在「親」である人達にはぜひ読んで頂きたい。 そしてこの本を読んだ上で、各家庭なりにどうゲームと付き合うかを考えて欲しいと強く願います。 ・・・個人的には、ゲームにはほとんど興味がありません。 自宅には「ゲー○○ューブ」も「プ○イ○テー○ョン2」もあるし、パソコンやネットでも色んなゲームを楽しむことが出来ます。 でも、子どもでさえ「ゲームはあれば楽しいけど、無くても問題ない。」という程度の扱いです。 だから私は「息抜き程度にゲームやるのは良いんじゃないの?」という立場です。 中毒になるほど熱中した事が無いから吐ける言葉なんでしょうね(--;;)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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