森博嗣さん著:『迷宮百年の睡魔~ラビリンス・イン・アーム・オブ・モルフェウス』
はじめて森博嗣さんの作品を読んでみました!森博嗣デビュー!! タイトルに惹かれて手にとってみたのですが、読んでみてもなかなか良かった♪ただ、三部作のうちの、この作品は第二作目でして、中途半端なところから読み始めてしまったみたい。 一作目を読んでいる人からすると暗黙の了解ごとになっている事項がまるっきりわかっていなくて、ストーリーに溶け込めない部分が(承知は一応していましたが)あり、理解するのにも苦労しました・・・。 とりあえず、この作品の環境は、22世紀になり、エネルギー問題(エナジィ問題?)が解決されて国家間の争いが極端に減った平和的な、だけどどこか空虚な世界という舞台設定。科学も相当に発達し、ウォーカロンという人型の機械を生活や仕事のお供にするのが当たり前の時代です。 物語の中、主人公サエバ・ミチルとそのウォーカロン・ロイディはそんな時代には珍しく古風な街「イル・サン・ジャック」をジャーナリストとして訪れています。マスコミを完全にシャットアウトした宮殿モン・ロゼを取材することを何故か特別に許可されたからでした。 けれど、国王に謁見してお食事のお供をしていた彼に災難が訪れました。この国に一度も発生しなかった殺人事件が起きてしまい、ミチルが犯人として疑われてしまったのです。捕らえられたミチルは忠実なロイディの助けを借りて、宮殿モン・ロゼからの脱出を試み、真相に近づこうとします。↑そんなお話。 でも、古典的ミステリとは違い、殺人事件そのもの(真犯人探し、トリック破り)がメインストリームではなかったかも。科学が発達しすぎた時代の心と体についての考察に、様々な「面白く見せる」要素を織り交ぜたカンジの作品でした。一作目と、未発行の三作目を読まないとまだ結論はだせないのですが。 ただ、21世紀の今では想像も出来ない神秘の街が舞台になっていて、未来都市のような、過去の架空都市のような、不思議な世界に入り込んだ気分になりました。どこにも存在したことのない未知の、だけど同じ地球のどこかの美しい街で、殺人事件というグロテスクでリアルな現実を描かれると、何だか感覚が振り回されるようで、結構心地よかったかもしれません。 最近は今まで読んだことがない作家(観たことのない俳優)の作品に、食わず嫌いせずに近寄ってみよう、と思い始めていマス。森博嗣さんのような有名な方に対して何言ってんの!というカンジですケド(笑)。とにかく、私は何事にも偏っているのでもう少し努力してアンテナを広く張ってみよう!!と考えはじめてます♪♪自分の知らないところで面白い作品(お宝??)が出てきてると思うと何だか惜しくって。すでに今までそれを素通りしてきたのだし・・・。