|
カテゴリ:家族
私は優しい人、家内はきつい人と思われている。私は結構意地悪で、短気なところもあり、無愛想で、とっつきにくい所がある。家内はいつも笑顔で、朗らか、社交的で、誰とでもすぐに仲良くなる。
でも私たちと付き合いのある人に言わせると、優しいご主人と、きつい奥さんだ。 結婚してしばらくすると、お互いの文化の衝突が起きる。私の常識は家内の常識ではなく、家内が私に期待していた行動は、私には思いもつかないことだったりする。 お互いに予想していたことなので、いたわりの気持ちで黙っていたり、我慢して黙っていたりで、それぞれの心の中で処理をする。 男の頭の引出はよく言われるように、大きな引出ひとつなので、その一つひとつはなかなか思い出せない。でも女の頭には小さい引出がたくさんついていて、記憶の逐一を瞬時に取り出せる。 何か些細なきっかけで爆発は起きる。夫婦喧嘩だ。 家内があの時あなたはこう言ったとか、こうしてくれなかったとか、次々並べ立てる。 私は自分の不満を何かひとつでも思い出して反論しようとするのだが、すぐには思い出せない。言葉が出てこない。まるで漫才の宮川大助、花子状態である。 家内は私の退路をすべて絶って責め立てる。私はいつしか無言になって、ひたすら酒を飲み続ける。(こうなったら何を言っても無駄だ・・・・) こんな事を何度か繰り返しながらも夫婦を続けてきた。そして最近分かってきた。 家内の基本は「許さない」で、私の基本は「許す」であることが。 家内が対人関係で傷ついた時、あるいは子供がどうしても言うことを聞かない時、「許さない」と思う心が逆に自分を追い込んでいくことに気付かない。だから私は常に「許してあげなさい」と言い続ける。完全な人間なんて居ないし、誰だって自分がどうしようもない人間だって分かっていながら、嫌なこともしてしまうものだと、気がつくと完全に自分の言い訳になっている。 私は今ここにこうしていられるのは、過去に起きたことがすべて今に生かされていると過去をすべて肯定してしまう。過去オール善である。 家内も最近私の意見に同調することが多くなり、ずいぶん生きているのが楽になったわ、などと言ってくれる。でも時々どうしても言ってしまうのだ。 やっぱりあの時のあなたは許せない。 いい加減忘れろよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004.11.25 18:02:12
|