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そぞろある記

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2004.11.01
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今月号の「文藝春秋」に「武士道と愛国心について」という台湾元総統の李登輝と作家の浅田次郎の対談がある。
この中で李登輝は儒教の教えにはなくて武士道にあるものとして「死」と「誠」をあげている。
そのまま引用すると

・・・・次に、「誠」だ。これは日本の武士道以外、どこにもないものだ。「誠」とは何かというと、我々が考えたり、喋ったりしたことを、必ず実行するということになるだろう。
 この「死」と「誠」が、儒教しか知らない中国人社会には存在しない。だから、現世利益、目の前の利益ばかり追いかけて汲々としている。そして、中国人は嘘をいうのが当たり前だ。・・・

この中国に「誠」が存在しないという言葉に、すべての疑問が氷解した。

例えば尖閣諸島の領有権の問題がある。
あの地域に海底資源があるのが分かったのは1968年である。それ以前に中国政府が作った地図には尖閣諸島は日本領土とはっきりと書かれていたそうである。中国政府が日本の領土と認めていたのである。
それなのに海底資源が発見されて以降の地図は勝手に中国領に変えてしまった。
なんで恥ずかしげもなくこういうことができるか理解に苦しんでいたが、「誠」が無ければ正しいことを貫こうとする気概もなく、目先の利益のために前言を翻すことなど恥とも思わないのだろう。

でも騎士道精神や武士道精神がある国民から見ればとうてい信頼できる国でないと見られることに、中国の為政者は気が付かないのだろうか。
世界注視の中でこういう主張を繰り返す姿は、滑稽を通り越して哀れに見える。

北朝鮮の日本人拉致問題も同様である。
北朝鮮政府の対応が不誠実だと日本人なら誰でも思うのだが、「誠」のない国に「誠実」などもありはしないのだ。
日本から金を引き出すという目先の利益だけが彼らの行動原理なのだから。






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Last updated  2004.11.01 11:46:09



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