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2004.12.06
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カテゴリ:想い出

私が小学生の頃は、まだ少年サンデーと少年マガジンしかなく、私はマガジン派だった。
ちばてつやの「ちかいの魔球」の次の連載が「紫電改のタカ」だったような気がするが、私はこの漫画が大好きだった。
戦争漫画で空中戦の場面が沢山出てくる。
小学校の遊びでも、空中戦ごっこをよくやった。
ゼロ戦とグラマンに分かれて、両手を戦闘機の翼のように広げ、なるべく相手の後ろに回り「ダ、ダ、ダ・・」と口で機銃を撃つ。

もう終戦から15年ぐらいは経っている時期だったが、漫画以外の記事では太平洋戦争の戦艦や戦闘機などの解説が多かったような気がする。
各海戦では戦艦や巡洋艦の配置図まで載せて、戦闘の模様を解説していた。
プラモデルも戦争物ばかりだった。
ノートに書く落書きも、戦艦大和やゼロ戦、隼、などが多かった。
兄が雑誌「丸」を買っていて、写真を見ただけで船の名前を当てられるぐらい、戦艦などには詳しかった。

今、戦争責任とか、戦争の反省が話題になるが、あのころは反省というと何故ミッドウェー海戦で負けたのか、レイテ沖海戦ではどう戦ったのかとか、どうして負けたのかに対する反省ばかりだったような気がする。

何故なんだろう?
敗戦を認めたくない感情がまだ日本を支配していたのだろうか?
自分たちの非を認めたくなくて、強がりを言い続けていたのだろうか?

その理由を知りたくて、半藤一利の「昭和史」と渡部昇一の「昭和史」を読んでみた。
戦争開始までの理由は大体わかった。
だが私が一番懸念した予測は当たっていた。
それは国民が戦争を圧倒的に支持していたのだ。
「本日未明、西太平洋方面において戦闘状態に入れり」
の放送があった時、日本中が雄叫びにも近い万歳の嵐だったという。
中島健蔵、小林秀雄、亀井勝一郎、横光利一のような文学者までが戦争を絶賛していた。
戦争中は朝日新聞や毎日新聞が御用新聞のように戦争を鼓舞したとよく言われるし、それは事実だったのだが、日本国民がそのような新聞しか受け付けなかったのだ。
つまり日本中が狂気に席巻されていたのだ。

私は極東軍事裁判に於ける戦犯の指定には、あまり興味がない。
だが、誤った判断により死ななくて済んだ国民を殺し、国家を未曾有の荒廃に追い込んだ国家指導者を、何故日本人の手によって裁かなかったのかが不思議でならなかった。
でも裁かなかったのではなく、裁けなかったのだ。

今、靖国問題で世論も二分されている状態である。
あの戦争が是か非かではなく、なぜ我々の父や祖父の世代が戦争に巻き込まれていったのかを、今こそ冷静に見つめ直すことが必要なのではないのだろうか。







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Last updated  2004.12.06 20:29:51
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