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おすすめミステリー小説、本、ビジネス書、お勧め音楽、お薦め映画 by ホーライ

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Dec 18, 2010
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カテゴリ:音楽
●このミステリーがすごい(2010年)
     ↓
第6位「マリアビートル」伊坂 幸太郎 (著)


元殺し屋の「木村」は、幼い息子に重傷を負わせた相手に復讐するため、東京発盛岡行きの東北新幹線“はやて”に乗り込む。

狡猾な中学生「王子」。

腕利きの二人組「蜜柑」&「檸檬」。

ツキのない殺し屋「七尾」。

彼らもそれぞれの思惑のもとに同じ新幹線に乗り込み―物騒な奴らが再びやって来た。

『グラスホッパー』に続く、殺し屋たちの狂想曲。3年ぶりの書き下ろし長編。


仙台に社用で3日間行ってきた。

列車移動の為、道中東北新幹線を利用する事になり、往復の車中で読書をもと思い、丁度東北新幹線を舞台に繰り広げられる伊坂幸太郎のピカレスクな新作をチョイスした。

確かに、「はやて」は全席指定席、車両間には荷物置き場がある、ダストボックスの壁にも突起があるし、等々、妙にライヴ感ある感覚に囚われながらも、登場人物たちのキャラと話の面白さに、いつしかそんな事を気にする間もなく読み耽った。

電車に乗り合わせた者たちが遭遇するサスペンスって、このジャンルの常套だと思うけど、今作が面白いのは、ドラマが、一般乗客なしで、徹頭徹尾海千山千の個性的な殺し屋たちに、狡猾かつ残忍な少年の間で続けられる処だ。


そして、そのスリリングな展開もさることながら、まず以て魅力的なのは、彼らの会話の絶妙さだ。

蜜柑と檸檬、王子と木村、七尾と真莉亜。

3組の物騒な人間たちが交わす言葉のひとつひとつが、深刻かつ複雑な状況であるにも拘わらず、ある時は軽妙、ある時はシニカルに、まるで掛け合い漫才の如き応酬で楽しめる。

中でも、蜜柑と檸檬の関係は最高にオカシい。

ふたりともやたら好きな小説やアニメの一節の引用をするのだが、なんせ、方や「悪霊」、方や「機関車トーマス」だもん、話は噛み合わないよな(笑)。

「トーマス」の話に関連させて考えを語る檸檬のみならず、人の心理を操り、精神的に優位に立って大人を手玉に取る嫌味な14才、まるで映画「ダークナイト」のジョーカーを彷彿させるような悪意の塊の王子や、己のツキのなさを嘆きながらも、窮地の際の頭脳と身体の切れ味が凄まじくなるてんとう虫・七尾など、強烈としか言いようのないユニークで個性的なキャラの立つ事、立つ事(笑)。


バッド・タイミングが重なり、絶体絶命の場での、彼らのプロフェッショナルとしての死力を賭けた闘い。

終盤に従って、心理戦とアクションの波状攻撃を堪能しつつ、ラストの収め方の鮮やかさに唸らされる。

今作の前篇「グラスホッパー」を読んでなくても十分に楽しめる作品、岡本喜八が生きていたら是非とも彼に映画化して欲しかった。

逸品、面白さ保障します。



読み終えた時「伊坂幸太郎を読んだ~」という充実感で満たされました。

「グラスホッパー」の続編ですが、もしグラスホッパーの直後に書かれていたのであれば違う雰囲気だったと思います。

最近の伊坂作品を経過したからこそ、この作品にたどり着いたんだ…と感じました。

伏線のはり方に唸り、殺し屋達の攻防にワクワクし、登場人物の魅力に夢中になる…

伊坂幸太郎のエンターテイメント性を存分に味わえる会心作です!


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★★★「グラスホッパー」伊坂 幸太郎 (著)★★★

「復讐を横取りされた。嘘?」

元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。

どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。

鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。

一方、自殺専門の殺し屋・鯨、ナイフ使いの若者・蝉も「押し屋」を追い始める。

それぞれの思惑のもとに―「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。

疾走感溢れる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説。



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Last updated  Dec 18, 2010 02:46:54 PM
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