映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

昔、アメリカの一時代を築いたコメディジャンルに、スクリューボールコメディというのがありました。本作もまた、スクリューボールコメディです。
鉄火な姐御なんて、今どきいないですよね

教授と美女
Ball of Fire

主演
バーバラ・スタンウィック ゲーリー・クーパー
オスカー・ホモルカ 　ダナ・アンドリュース

監督
ハワード・ホークス

脚本
ビリー・ワイルダー＆チャールズ・ブラケット

音楽
アルフレッド・ニューマン

　グリム童話の「白雪姫」をベースとしたコメディ。百科事典の編纂を担当しているダニエル・トットン財団のバートラム・ポッツ教授は俗語を集めるためにナイトクラブの歌姫シュガープス・オーシェに言葉を教わろうとするが、彼女はお尋ね者ジョー・ライラックの情婦だった…。

　同じ監督による再映画化作品「ヒット・パレード」もあり、こちらはダニー・ケイとバージニア・メイヨが主演。主役が言語学者から音楽教授に変わり、トミー・ドーシーや ルイ・アームストロングなどの演奏を楽しみながら、音楽が どんな風に発展していったかを理解できるしくみになっています。「白雪姫」のイメージだと、後者のバージニア・メイヨの方が
ぴったり来るが、ギャングの情婦というイメージからすると断然、バーバラ・スタンウィックの方がはまっている


原題が「火の玉」。まさにかぁっと燃える鉄火な姐御っぷりで 世間ずれしているビリ－・ワイルダー言うところの「ダサい」教授を引っ張りまわす彼女は、「レディ・イヴ」でヘンリー・フォンダ演じる（こちらも）教授を翻弄。まさに彼女の脂ののりきっていた時期の作品
7人の小人ならぬ7人の教授達+頼りない王子様がオリジナル童話とは違ってお姫さまのための人質となってしまうあたりも強い女性が好きなハワード監督らしい筋立て。これが無理なく受け入れられるのも、スタンウィックのキャスティングならでは。


オープニングのナレーションは後の「昼下がりの情事」「七年目の浮気」を思わせる、最初まじめで後にくすりと笑いが溢れるとぼけっぷり脚本が「サンセット大通り」「失われた週末」で組んでいる言葉の宝庫コンビ、チャールズ・ブラケット

とビリー・ワイルダーだけに、何気ない台詞に後から込められた意味を探るのが楽しみ。「ヒット・パレード」はどちらかというと音楽に重きがおかれているので、台詞を楽しむのなら断然こっち。

さて、どちらを選びますか？


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