映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさんこんばんは。レストランを舞台にした群像劇です。
ひところ『レオン』を見てダニー・アイエロの名脇役っぷりにはまり、映画館に見に行きました。

映画「ディナーラッシュ」
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出演ヴィヴィアン・ウー　サマー・フェニックス

ダニー・アイエロ　

マイク・マッグローン 　ジェイミー・ハリス他

監督ボブ・ジラルディ


クリスマスを2週間後に控えたNYトライベッカ。雪が降り積もるある

午後一人の老人が2人組のギャングに射殺された。被害者のエンリコは

長年街の食堂として人々に愛されてきたイタリアンレストラン「ジジーノ」

のオーナー、ルイスのビジネスパートナー。ルイスと息子ウードは店の姿勢を

巡って対立し、ウードとスーシェフのダンカンは恋人ニコーレを巡って

ライバル関係。

さて、今夜もディナーラッシュがやって来る。


その人が登場するだけで、ある国の雰囲気をまとう役者がいる。

たとえば、コルム・ミーニー。縮れた赤毛の丸っとした彼が登場する

だけで、「あ、この映画はアイルランドだ。」と気付く。

突然の娘の妊娠を受け止める一家を描いたロディ・ドイル原作脚本の「スナッパー」

おらが村の人々が山を地図に載せようと悪戦苦闘する「ウェールズの山」

などに出演しています。探してみて下さい。

さて、この映画では、ダニー・アイエロ。彼はNYのリトル・イタリーが

よく似合う。ウディ・アレン映画に愛されて出演していた彼も

だんだんと重鎮役が似合うようになって来ました。

映画「レオン」で出演した時もリトル・イタリーのレストラン経営者で、

裏の顔は元締め。レオンが唯一仕事を受ける男で、

ゲイリー・オールドマン扮する悪徳刑事とも知り合い、という設定は

今回の役柄と似ています。

店の様子が一目でわかる定席で、じっと見ている店主ルイスを演じる

アイエロは、物語同様、この映画の堂々たる引き締め役。

レストランのオーナーを巡って対立するけれど、お互いを認めている

ルイスとウードの親子の情愛ドラマという「昔ながら」のテーマでほろっとさせ

る一方で、文句ばかり言っているギャラリーのオーナーや、

ウードと懇意の料理評論家に代表される「今どき」のNYスノッブへの皮肉を

きかせてくすりと笑わせる。

生き馬の目を抜くNYの人気レストランで働く人達もそれぞれ個性的。

クイズに強いバーテンや、自分の絵をレストランに掲げているウェイトレス。

それぞれを演じる役者達のアンサンブルも素晴らしい。

店の様子が一目でわかる定席で、じっと見ている店主ルイス役のアイエロが、

物語同様、この映画を締めている。ダンカンとウードの恋と対照的な、

長く暖かい灯火を燃やす大人の恋を見せてくれる。

映画を見ている私達は、全ての登場人物の裏側まで知っている神のような

立場だが、本当の神は実は別にいた事を知るラストにあっと驚かされる。　

店のお客、従業員らが複雑に絡み合うストーリーを、切れのいい

カメラワークとバラエティに富んだ音楽で巧みに捌いた名シェフ、ボブ・

ジラルディ。ドラマ全体の緩急のバランスも良く、あっという間の99分を堪能しました。


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