映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

イングリッド・バーグマンが実在の女性を演じた映画を紹介します。日本語も出てきます。彼女はしゃべりませんが。

六番目の幸福
THE INN OF THE SIXTH HAPPINESS

出演
イングリッド・バーグマン　クルト・ユルゲンス　ロバート・ドーナット
音楽
マルコム・アーノルド
監督
マーク・ロブソン

グラディス・エイルワードは、第二次世界大戦勃発前、ロンドンにあるキリスト教の中国伝道本部にロビンソン博士を訪ねて「中国伝道に私を採用してください」と申し入れるが「今の中国では伝道は難しい。へき地の想像を絶する非衛生、特別な教育も受けていなく資格のないあなたでは無理だ」と断られる。

　彼女はある家庭に経験を生かして掃除婦として雇われ、旅費を捻出して一路中国を目指す。オランダ、ドイツ、ポーランド、ロシアを経由するシベリヤ鉄道で大陸を横断してハルピンからテンシンに入り、さらに奥地のワンチェン村に到着。そこで、村で唯一の外国人で女性の伝道師ローソンに歓迎され、二人は『六番目の幸福』という名の宿屋を経営して、ロバに乗った行商人たちへの伝道を開始。ところが間もなくローソンは不慮の死をとげ、そこからグラディスの孤軍奮闘が始まる。

　映画のタイトルになっている『六番目の幸福』は、中国の幸福についての考え方、１、富　２、長寿　３、健康　４、徳　５、安らかな死　そして、「六番目の幸福」はそれぞれが自分で探すものだ」ということを表す。

グラディスはメイドだったため伝道師の資格を持っていない。だが信仰心と熱意は人一倍だったので、旅行会社に分割で支払って旅費を貯めて中国行きを果たす。この熱意が時には人々の常識を外れてしまう所があり、メイド先で雇い主の所蔵する中国関連の本を勝手に借りて騒ぎになることもある。ところが雇い主が彼女の熱意を好意的に捉えてローソンへの紹介状を書いてくれる。彼女の熱意や信仰心がなければできなかったことだが、人々との出会いに恵まれたことも一因だろう。最後には雇い主や旅行会社の人も彼女の旅立ちを祝ってくれるのだから、人の善意に支えられた人生であったということだ。県長の処刑場面に立ち合ったり、外国人というだけで毛嫌いされたりと、到着当初はかなりカルチャーショックを受けるが、やがて彼女自身の誠実さが人々を変えていく。ただ彼女の熱意の裏側として、回りが見えなくなる危うさというのは描かれており、クライマックスとされている孤児を連れての脱出行も、日本軍が待ち構えているという情報を掴まぬままに村を出たりと無計画性が目についた。



【送料無料】六番目の幸福 ［ イングリッド・バーグマン ］楽天ブックス