映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

9月1日は電車が混んでいました。電車の中で話している20代らしき女性二人の会話を聞いていて「どこから声出してるんだろう？」と思いました。自分が年を取ったのだなぁ。


映画マーガレット・サッチャー　鉄の女の涙を見ました。



マーガレット・サッチャー　鉄の女の涙
The Iron Lady

アカデミー主演女優賞＆メイクアップ賞

監督
フィリダ・ロイド
出演
メリル・ストリープ　ジム・ブロードベンド　イアン・グレン
音楽
トーマス・ニューマン

1979年、父の教えである質素倹約を掲げる保守党のマーガレット・サッチャーが女性初のイギリス首相となる。“鉄の女”の異名を取るサッチャーは、財政赤字を解決し、フォークランド紛争に勝利し、国民から絶大なる支持を得ていた。しかし、彼女には誰にも見せていない孤独な別の顔があった。

冒頭、店に出かけて品物が高いことに驚く老女。彼女はイギリスの元首相、マーガレット・サッチャーだった。朝食を採りながら夫と話していた彼女だが、次の瞬間振り返ると食器だけが残されている。夫の姿は幻だった。娘の回顧録により認知症であることが明らかになった彼女は、この頃幻覚を見るようになっていた。映画では夫の幻覚を利用して、マーガレットの現在に至るまでの道のりを描く。夫は彼女に対する理解者兼批判者として登場し、彼女と議論を戦わせているが、強引で反省する事などないように見えた彼女の内面を表している。

振り返ってみれば、彼女の生きた時代は激動の連続だった。ソ連のゴルバチョフ大統領の登場により、東西冷戦がようやく終わりを告げ、ヨーロッパ統合及び共通通貨に向けた話し合いが行われる（但しイギリスは加入を拒否）。フォークランド紛争では時のアメリカ国務長官ヘイグから「何千マイルも離れた、人もさほど住んでいない、政治的にも経済的にも大して価値のない場所のために戦うのですか？So you are proposing to go to war over these islands. They're thousands of miles away, a handful of citizens, politically and economically insignificant, if you'll excuse me. 」と言われても「なら真珠湾攻撃のハワイはどうなんです？Just like Hawaii... I imagine.」と切り返し、アルゼンチンと交戦。どこまでも強気を貫く。

国内に目を向ければ『ブラス！』『フル・モンティ』で描かれたような炭鉱労働者の大規模な首切りが行われた。全てを救う大きな政府ではなく小さな政府を目指した彼女によって、イギリスは経済危機を乗り越え、またフォークランド紛争に勝利した事もあって彼女の人気は急上昇するが、あまりにも強引な彼女の手法はやがて破綻を生む。「君が党を変えたいと思うなら、君が導け。君が国を変えたいと思うなら、君が導けIf you want to change this party, lead it. If you want to change the country, lead it.」と言われてその通りの事を成した英国唯一の女性、サッチャー。女性として、庶民出身として蔑まれた中から這い上がることが出来た彼女だから「他人も自分と同じようにできるはず」という思いが強すぎたのかもしれない。

映画の中で、サッチャーは、選挙運動の一部として投票者に与えるアイスクリームを作っていたが、実生活では彼女はそのタイプのアイスクリーム用の乳化剤を開発した化学者だった。



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