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September 6, 2014
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みなさん、こんにちは。代々木公園だけではおさまらなくなってしまったデング熱、怖いですね。
早く秋らしくなって蚊がいなくなるといいのですけど。舛添東京都知事は「蚊にさされないようにする」と対策を述べていましたが、それってどうやるの?と思いました。

さて、今日はイギリスに古く伝わる伝説をもとに書かれた小説を紹介します。


アンヌウヴンの貴公子
The Maginogion Tetralogy Prince of Annwn
エヴァンジェリン・ウォルトン
創元推理文庫

 古き民と新しき民が危ういバランスを保っていた頃の物語で、新しき民・ダヴェドの大公プウィスが、狩りに訪れた森で冥界の王アラウンに出会い、彼にかわって冥界のもうひとりの王ハヴガンと戦ってほしいと頼まれる冥界篇「冥界への道ゆき」とプウィスの婚礼篇「小鳥のフリアノン」の2篇が収録されている。

 「冥界への道ゆき」はプウィスとアラウンが互いの身体を交換して、アラウンの身体を借り冥界に乗りこんだプウィスが大男と怪鳥と戦い、更に第三の試練に打ち勝った後でハヴガンを倒すまでを描く。ここに登場する神は、戦いで傷を負ったり、情に負けて最後の詰めが甘かったりと完全無欠の存在ではない。「小鳥のフリアノン」では、古くからの慣例に習わないためドルイド達に責められたプウィスが美しい「小鳥のフリアノン」と無事結婚するまでを描く。「冥界への道ゆき」はプウィスの武勇に、「小鳥のフリアノン」は彼の知力に焦点を当てたストーリーになっており、好対照を為している。

 古くからの慣例とは「王が女神を宿した白い雌馬と交わった後にその馬を殺し、血を飲む」という行いのことで、プウィス以前の王は皆そんな事をやっていたのか?と現代感覚では「えっ!」と思わず目が点になってしまう。プウィスも慣例をバカにしたというよりは、自身の愛馬を含め馬を好いていたために(変な意味ではなく)この行為を拒否したので、行為自体は古代でもさほど突飛ではなかったのか。プウィスの元に現れる女神が自らを全てのおおもとであるかのような発言をしているが、女性は命を生み出す存在として崇められ、女神崇拝を行ってきたのが古き民=ドルイドである。一方プウィスら新しき民はそうではなく、領民の婚礼の席で花嫁は領主とまず共にしたり、客人の格が上であれば妻を一夜提供したりと、女性の貞操について現代とは異なる考えが支配的であったことを窺わせる。
 そして女性達は男性に優しい。フリアノンは人間の王プウィスと結婚することで永遠の命を失うにも関わらず彼と結婚し「これからいろいろと学ぶでしょう」とまるで息子をいとおしむ母親のように告げる。但しこの婚礼、すんなり進むとは思えず、策略によって一度は手にした花嫁を奪われた神の復讐の言葉や、遂に慣例を守らなかったプウィスに対するドルイドの呪いの言葉など、先行きの暗雲を予測させる要素がてんこ盛りであり、続きを読みたくなる気にさせる。

 『赤毛のアン』の作家モンゴメリも没になった原稿が日の目をみたパターンだが、エヴァンジェリン・ウォルトンその人の見出され方もなかなか特異である。原稿を見つけた人が著作権が切れているのか?と問い合わせたら忘れた頃に著者が存命であった事がわかって、そこから一躍脚光を浴びだしたという経緯が後書きに書かれていた。表紙絵が昔MOEで活躍していた牧野鈴子さんであったのも懐かしい。


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最終更新日  April 2, 2016 07:05:10 AM
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