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September 17, 2014
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みなさん、こんばんは。今日は地震があって怖かったですね。
さて、今日は古き良き館に住む人々の間に起こった怪異を描いた作品を紹介します。


エアーズ家の没落(上)(下)
The Little Stranger
サラ・ウォーターズ

第二次世界大戦終了後まもない今日、広壮なハンドレッズ領主館に閉じこもって暮らすエアーズ家の人々。かつて母親が屋敷でメイドをしていた縁で、彼らと屋敷に憧憬を抱いていたファラデー医師は、往診をきっかけに知遇を得、次第に親交を深めていく。一方、 ある事件から館の中で聞こえるはずのない声や足音、 起こるはずのない火災などの不可思議な出来事が起こる。錯覚なのか、館の呪いか、誰かの悪意ある犯行なのか?

 原題の「The Little Stranger」は「小さなよそもの」という意味だが、これは幼い頃母にこっそりこの屋敷に連れて来てもらったことがあったファラデー医師自身のこととも受け取れる。また、成人したファラデー医師が館に来る原因となる事件を引き起こしたある人物のことにも受け取れる。更に、怪異現象が生じる中で姿を見せたある人物、或いは館を主体とすれば、そこに住まう人間の一人ひとりが皆「The Little Stranger」であるのかもしれない。館を主体と考える、という発想自体充分に現実的ではないが、作中の館はまるで主体性をもったかのように人間達を翻弄し、揺るがぬ存在感を放つのだから違和感がない。

 館にStranger(原題の一部)が入り込んだことで、様々な怪異が起こる…と聞けば、映画にもなった『レベッカ』を想起させる。発生する怪異現象は、常に体験した者(当主、当主の母親、当主の姉、使用人)によって語られ、語り手たるファラデー医師は常にその場におらず、後から伝聞という形で知る。そして彼は、その職業からも、怪奇現象を真っ向から受け入れない。ならば読者にとって、彼は信頼できる語り手かと思わせるが、下巻から「どうやらそうでもなさそうだ」と思わせる節が出てくる。それほど怪しい出来事が起こる気味の悪い館に執着せず、愛する女性を連れてさっさと出て行ってしまえばいいと思うし、当然作中の登場人物も出ていくことを口にするが、なぜか医師はこの館と共にある将来しか考えていない。彼自身も気付かない館への執着がひたひたと近づいてくるような感じがして、とある事件が起きた時の彼の意識不明については、もはや信頼が置けなくなってくる。
また、そうした現象を起こさせた原因が、それぞれの人物の中にある精神的脆さだけではなく、意志を持たないはずの館であるとすれば、作中人物が口にしたように「館はわたしたちの弱点を突いてくる」という言葉が信憑性を帯びてくる。逃げられた人と逃げられなかった人との差はどこにあるのか。一連の事件の真相と同じく、犠牲者とそうでない人との選別基準も曖昧なままに幕を閉じるので、いつまでも霧の中を歩いているような気分にさせられる。その中に突然、このような館が現れたらどうしようかという不安に駆られながら。


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最終更新日  September 17, 2014 12:18:33 AM
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