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イラク人質事件の折、6人のアメリカ大使館員が救出された事件は18年間封印されていました。その事件を暑かった映画アルゴを見ました。

アルゴ
Argo

監督＆出演
ベン・アフレック

出演
ジョン・グッドマン　アラン・アーキン　ヴィクタ―・ガ―バ―　
クレア・デュバル　テイト・ドノヴァン　

アカデミー作品賞&脚色賞&編集賞

1979年11月4日、テヘラン。イラン革命が激しさを募らせ、その果てにアメリカ大使館を過激派グループが占拠し、52人もの人質を取るという事件が起きる。パニックの中、アメリカ人6名が大使館から逃げ出してカナダ大使の自宅に潜伏。救出作戦のエキスパートとして名をはせるCIAエージェントのトニー・メンデスは、6名が過激派たちに発見され、殺害されるのも時間の問題だと判断。彼らを混乱するテヘランから救出する作戦を立案する。しかし、それは前代未聞で大胆不敵、そして無数の危険が伴うものだった……。

「今はイランとして知られているペルシャ帝国の物語だThis is the Persian Empire known today as Iran. （中略）His wife was rumored to bathe in milk while the shah had his lunches flown in by Concorde from Paris. 」オープニングは絵コンテで、ざっとイラン革命に至る経緯を説明する。王妃はミルク風呂、国王はパリからランチの取りよせと貧しい庶民とかけ離れていた生活をしていれば、そりゃあ暴動も起こるだろう。絵コンテは「単に、事が起こるまでの経緯を簡単に説明するためのツールなのかな？」と思っていたら、後に登場する作戦で重要なアイテムとなっていた。

エンディングで実際に救出された人と俳優が並列で並ぶ。その後当時の映像と映画のショットが並ぶが、映画での描写が誇張ではなかったことがわかる。クレーンで吊るされた人、燃やされるアメリカ国旗。燃え上がる炎はそのまま民衆の怒りであり、それはカナダ大使館にいるアメリカ人6人にも向けられる。

大使館員が脱出直前に資料をシュレッダーにかけるが、そのバラバラになった紙を子供達が貼り合わせている映像が、大使館でイライラしながら待つ6人や脱出計画を練るトニー達の様子とフラッシュバックで登場。子供達は自分の作業が人の命を左右するなどとは恐らく考えていないはずだ。何も知らない子供達に恐ろしい作業を命じている軍のやり方に背中が冷える思いだった。紙の張り合わせ場面は終幕の空港へ向かう時の映像とも交互に登場し、本当にぎりぎりまで彼等が無事脱出できるのか、サスペンスを煽っていた。

終始緊張感を強いられる中で、映画界の大立者プロデューサー・レスターと、猿の惑星の特殊メイクでアカデミー賞を受賞したジョン・チェンバースのシーンが笑いを誘う。映画自体が巨大なフェイクだが、今回は映画制作自体がフェイクであり、まことしやかに記者発表を行い、俳優達の読み合わせを行う。絵コンテも作りロケハンが必要な状況を作りだし、事務所をこしらえたところで、この映画の役割は終わるのだ。絵空事の映画はずっと人々の心を救ってきた。しかし人の命を救った映画はそうそうない。レスターからはこきおろされていたスターウォーズもどきの脚本は、この出来事によって他の名画同様知名度は上がったのではないか。




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