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カテゴリ:海外のミステリー&ファンタジー小説
みなさん、こんばんは。
連休最後の日をいかがお過ごしですか?私はハイキングに行ってきました。 スポーツ繋がりでこんなミステリを紹介します。 テニスコートの殺人 The Problem of the Wire Cage ジョン・ディクスン・カー いやぁ、ジョン・ディクスン・カ―作品でこんなに笑ったのは初めてです。でも、人が死んだのに笑ってしまうというのは不謹慎ですね。そこは勘弁。 テニスコートの中央付近で仰向けに倒れた絞殺死体が見つかった。足跡は被害者のものと、被害者が死んで驚いて駆け付けた婚約者ブレンダのものしかない。彼女は殺してないというが、実はその直前、ブレンダは弁護士で実は相思相愛のヒューとキスしていた!そして偶然にも被害者を含めた4人は殺人についての話をしていてブレンダは「完璧な方法を知っている」と口にしていた! よくもまあ「さあ、怪しんで下さい!」と言わんばかりの怪しい要素が分かりやすく登場することよ。更に「殺してない」というのは彼女自身の告白しかないし、ご丁寧にスカーフが首に巻いてあるわ、彼女の爪は被害者の襟にあるわ、被害者が亡くなって彼女一人が莫大な遺産を手にすることになるわと、やっぱり「疑って下さい!」と言わんばかりの物証が次から次へと出てくる。そこへ彼に恋したヒューが職業倫理を振り捨てて(いや、怖いなぁ、コイゴコロっていうのは)あれこれと細工したりと余計なことをするものだから「彼女を庇ってるんだ」と痛くもない腹を探られてしまうことに。ここでねぇ、ヒューが「ああ、果たして彼女が犯人なのだろうか?」と苛まれながら犯人探しをやるのならば、もう少しサスペンス色が出せたのに勿体ない。やれやれ、振り回される警察は大変だ。更に、名探偵ギデオン・フェル博士という引き立て役が側にいるのだから、プレッシャーも相当だろう。 さて「彼女が殺していないというのだから殺していないんだ!」という前提の元でブレンダとヒューは犯人探しを始めて「そもそも24フィートも離れた所の人間を絞殺することが出来るのか?」とあれこれ考えた挙句、思いついた殺害方法が可能かどうかの実験を弁護士事務所の助手に命じる。一番笑ったのは、実験の様子を一生懸命助手が語っているのに、ヒューが途中からひーひー笑い始めてしまう本筋とはあまり関わらないこの場面だ。確かに真面目に考えるとありそうにない方法で笑ってしまうのはわかるが、実験に駆りだされた人は怪我してるんだからその態度はないだろう、弁護士くん。おとーさんがたしなめるのもわかるよ。しかし最後にフェル博士が解き明かした殺害方法に比べると、このとんでもない方法の方がまだ可能に思えてくるから困ったものだ。これはもしかしてバカミスなのか?ジョン・ディクスン・カーで?フェル博士で? 余談だが、カバーの裏に書いてある「では殺人者は、走り幅跳びの世界記録並みに跳躍したのだろうか?」という問いかけも面白かった。そんなものに殺人者が挑戦してどうするのだまったく。 【楽天ブックスならいつでも送料無料】テニスコートの殺人 [ ジョン・ディクソン・カー ]楽天ブックス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
November 3, 2014 06:08:02 PM
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