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カテゴリ:海外のミステリー&ファンタジー小説
みなさん、こんにちは。先週のハイキングの筋肉痛もようやく取れました。
今日から北欧の刑事が主人公のミステリシリーズを紹介します。 リガの犬たち Hundarna i Riga ヘニング・マンケル 第三作目『白い雌ライオン』に続いて読了。三作目で「電話をしたが留守だった!あぁぁ俺ってバカ!」とヴァランダーが悩みまくる相手が登場するはずなので、楽しみに読んだ。 始まり方は『白い~』よりもくどくなく、奇妙な死体を発見した2人組の描写から始まっている。高級なスーツを身につけた男二人の死体が抱き合うように横たわっていた。そして服を脱がせると心臓を撃たれ、拷問の形跡もあった。それにしても、これがなくては物語が始まらないとはいえ、なぜわざわざ「これは他殺です。それも絶対曰くがあります!」と宣言しているような死体の状態にしておくのか。「仲間割れか何かのはずみで殺されてしまった男」のように装った方が、カモフラージュできるはずなのに。中途半端にうかつな犯人という設定は、この手の作品に欠かせませんな。 怪しさ全開の死体がスウェーデンの海岸に打ち上げられたことで、我らが主人公・ヴァランダーが事件に関わってゆくことになるが、いま一つ乗り気ではないようだ。職場の机にあるとらばーゆの書類をちらちら見ているし、第一作で言いよった女性にもまだ未練がある。このやる気なさげなヴァランダーの刑事魂に火をつけたのは、ラトヴィアからやってきたヘビースモーカーの犯罪捜査官リエパ中佐。彼が帰国後殺されたと聞いてヴァランダーがラトヴィアに呼ばれる。 さあ、ここでようやく推理が始まるかと思いきや、秘密の暗号を受け取ってどこかへ赴いたり、警察の前でリエパ中佐の妻(これが冒頭の電話の相手ですな)と芝居をうったり、刑事というよりまるでスパイのようなヴァランダー。『白い~』で殺し屋の熱弁に心打たれて逸脱行動に出ていた彼だが、あの時の行動はたまたまではありませんね。惚れっぽい彼は、どうやらとっても影響を受けやすい性格のようです。ソ連の影におびえながらも自由を渇望するラトヴィアの人々に助けられるうちに、どんどん刑事の枠を越えていく。車泥棒はするわ、思いあまって事もあろうに警察署であんな行動に出るわ…いやぁ、“あんな行動“の中身はとても書けません。将来刑事を目指す人は、絶対マネをしないよーに! ミステリの要素はあるものの、第三作と今作においては、アクションの要素が強い。本シリーズを読むのはまだ2作目だが、隠れテーマは動物かもしれない。第三作の『雌ライオン』は南アフリカ共和国の比喩であり、今作の『犬』もまた秘密警察がいた時代を彷彿とさせる男達が暗躍するラトヴィアの一面を象徴しているからである。 惚れっぽくて熱血のあぶない刑事、寒い北欧あたりにいてもらった方が、ちょうど良いのかもしれませんね。 【楽天ブックスならいつでも送料無料】【夏文庫14】【今年はポイント&海外旅行Wチャンス!】リガの犬たち [ ヘニング・マンケル ]楽天ブックス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
November 8, 2014 10:02:29 AM
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