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November 15, 2014
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日本サッカー勝ちましたね。

さて、こちらは北欧のミステリシリーズ第六弾です。

五人目の女(上下)
Den femte kvinnan
ヘニング・マンケル

北欧ミステリ『特捜部Q』シリーズもそうだったが、本シリーズも回が進むと主人公登場までの前振りが長くなる。物語は、アルジェリアの原理主義者4人がフランス国籍の4人の尼僧を攻撃する場面から始まる。その時彼女達と一緒にたまたま宿泊していた5番目のスウェーデンの女性が巻き込まれて殺される。これだけでも充分ショッキングな出来事だが、本来死ぬはずではなかった女性が“五番目の女”として亡くなった事がある人物の行動を促す。そしてここからメイン・プロットへと繋がってゆくのだ。

 第五作『目くらましの道』でまさかの犯人像に衝撃を受けたヴァランダーをはじめとする刑事達が、ヴァカンスから戻ってきた所から物語は始まる。第一作で既婚女性に迫り、第二作でとらばーゆの書類をチラ見していたスウェーデン版あぶない刑事も、少し安定感が出てきた。変わりゆくスウェーデンや犯罪の多様化に心を痛めるナイーヴさは変わらないが、新任の署長ともうまく連携を取り後輩を指導する。最初の頃の彼はとても想像できない。やはりプライヴェートの充実が功を奏したのだろうか。今回は2つの失踪事件を早い時期から関係があるものと睨んでおり「おっ、これは案外早く犯人と遭遇するのか?」と期待する。

 先に挙げたように、犯人は早い段階で明らかにされている。しかしその詳細については上巻が終わっても示されず、従って動機も不明。犯人の行動をリアルタイムで追う事しかアドバンテージのない読者とヴァランダーの距離は、それほど離れていないのだ。

 自警団を登場させ、この事件の真相と深く関わりのあるテーマを扱っている点も見逃せない。そのテーマとは「正義とは何か」「人が人を裁くことは許されるのか」である。警察とは別に自分達が悪と感じた人達に暴力を振う自警団をヴァランダーは認めない。自警団の判断が正しいとは限らず、かえって間違っている場合が多いからである。法制度に基づき罪人を取り締まる警察が存在するのに、正義の基準がばらばらな個人がそれぞれの善とする所を主張し、行動に移したら秩序は乱れ、国は混乱する。このテーマは読み返してみると、原理主義者が自分の主張のみで罪なき尼僧を殺した事件にも通じる。
そして意外な事実を知る度にヴァランダー自身の正義感も揺れる。自分は今、悪人を追っているのか、それとも罪を犯した善人を追っているのか、と。

 「福祉国家が犯罪のカモフラージュとなっている」とヴァランダーに指摘されるスウェーデン。悩める国の象徴でもあるヴァランダーが、変わりゆく国に対してどこまで自分の正義を貫けるのか、楽しみである。


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最終更新日  November 15, 2014 12:07:11 AM
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