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カテゴリ:海外のミステリー&ファンタジー小説
みなさん、こんばんは。
解禁したボージョレヌーボーを楽しんでいる方もいらっしゃるのでしょうか。 映画雑誌を見ていたら、『幸福の黄色いハンカチ』とスターウォーズ第四作って同時代だったんですね。 さて、今回は北欧の刑事シリーズ第八弾、現在の所の最新作を紹介します。 ファイアーウォール(上下) Brandvagg ヘニング・マンケル 本作は第5作『目くらましの道』でヴァカンス前の刑事達を悩ませた若き犯人の葬儀に、母親から乞われてヴァランダーが参列する場面から始まる。彼は葬儀に向かいながら、7年間に身辺で亡くなった3人に思いを馳せる。その中には前作『背後の足音』で亡くなった同僚スヴェードベリも含まれる。もう一人の部下マーティンソンと違い、地味だが着実な結果をもたらす部下を「知っているつもりで知らなかった」と回想するヴァランダー。今回はこの言葉がキイワードとなる。 葬儀から戻ったヴァランダーを待っていたのは、ティーンの少女2人が金目当てでタクシー運転手を襲った事件だった。反省の色も見せず同伴してきた母親を殴った少女を思わずヴァランダーは殴ってしまうが、偶然その場面をマスコミに撮られて警察内でも困った立ち場に追い込まれる。プライヴェートでは遠恋の相手バリバと破局したヴァランダーは、序盤、深い喪失感を身にまとって現れる。 喪失感の次に彼を襲ったのは焦燥感である。長年の友人は仕事を辞めて新天地へ旅立つ決意をしているが、生涯警察官であることを決めた彼には他に選択肢はない。しかしIT社会の到来によって、もはや犯罪の現場はスウェーデンに留まらず、彼の理解を越えた判断が迫られる。若い頃は周囲がどう思おうと体一つで事件に飛びこんでいく無茶をしていたヴァランダーだが、その手法が通じなくなった時、自らの刑事としてのアイデンティティも揺らぐ。更に少女を殴った事が暴行事件として取り上げられ、同僚達の何気ない行動や視線が何らかの意味を持つのではないかと疑心暗鬼に駆られる。彼にとっては苦悩そのものであろうが、長いスパンでこういった変化を見られることは、シリーズの中で主人公がきちんと作品の中で年を取っているのだな、と実感できる良さである。 そうはいっても許可を得ずに犯罪歴があるハッカー少年を捜査に駆りだすなど型破りな面は相変わらずで、事件解決に向かう鍵はヴァランダーの直感が見つけている。作者自身もヴァランダーに全く別人になって欲しくはないのだ。だからラストに、絶たれたと思われた絆を繋げるエピソードを挿入したのだろう。 さて、喪失、焦燥と重苦しいテーマが続く中で、唯一息をつけたのは、ヴァランダーの恋人募集の広告原稿である。出す前に下書きを含めて3回書いているが、「家庭的でオペラを好む女性求む。警察官97」(自分でも嘘っぽいとコメント)「気の向いた時にいっしょにいられる人を求む。容姿端麗でセクシーな女性(厚かましい!)。年老いた犬」と下書きして、本文原稿は「結婚は望まないが愛のあるつきあいを望む。ラブラド―ル」になっている。見事に3つとも女性に求める条件が異なっており、自分のニックネームが「警察官」から「ラブラド―ル」へと軟化している辺りが、恋愛には相変わらず弱気な彼らしさが出ていて面白い。その顛末も含めて、未読の方には是非楽しんで頂きたい。 【楽天ブックスならいつでも送料無料】ファイアーウォール(上) [ ヘニング・マンケル ] 【楽天ブックスならいつでも送料無料】ファイアーウォール(下) [ ヘニング・マンケル ]楽天ブックス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
November 20, 2014 07:26:31 PM
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