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November 30, 2014
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携帯が壊れて4日目。自身は困ったなぁと思わないけれど、全ての連絡先を携帯にしていたもので連絡を取りたい側が困るようだ。
それにしても、改めて電車に乗って周囲を見ると、皆携帯(恐らくスマホ)を見ている。人を見ずに携帯を見ている。そんなにじろじろ他人を見ろと云っているわけでもないけれど、携帯に人生支配されてるなぁと感じる。

さて、こちらはダークファンタジーを紹介します。


神の左手
The Left Hand of the God
ポール・ホフマン
金原瑞人

中世ヨーロッパを思わせるどこかの国に、サンクチュアリという修道院があり、メシアと呼ばれる修道僧達が少年達と共に暮らしている。しかしその響き(サンクチュアリ=聖域、メシア=救世主)とは裏腹に、修道士達は少年達を厳しい戒律で縛り付けて10年留め置き、アンタゴニスト(異端者)との戦いに備えて厳しい訓練を施していた。少年達のうち、わずかに生きて出られた者の他は皆死んでいる。

 私たちが言葉に対して抱くイメージを上手く裏切った物語世界やキャラクター設定に、冒頭からぞくぞくさせられる。さて、これほど真逆のイメージが成り立つ世界となると、善悪の境目はゆらゆら揺れる。その揺れる世界に、まだ自我を確立していない少年達が放り込まれるのだから、危なっかしいことこの上ないビルドゥングスロマンになることは間違いない。

 厳しい環境を生き抜いてきた者のうち、戦の司と呼ばれるメシアにひときわ苛まれる少年がいた。その少年ケイルが修道院内で殺人を犯したことから、物語は大きく動き始める。

 三部作第一作目のタイトルは、原題そのままの「神の左手」。ユダヤ教の教えで、神の右手は善を指し、左手は悪を指し、破壊を担当する。ケイルは一見農夫のように見えるが、修道院で仕込まれたために驚異的な殺人能力を持っている。しかしそもそも彼が殺人を為した理由は、女人禁制の修道院で、少女が殺されようとしていたのを止めたからだった。善意から生じた悪の行為。ここにも歪みが生じる。さて、ケイルは善人なのか、悪人なのか。彼の行為は善なのか、悪なのか。

 ケイルは、後にダースベイダーとなったアナキン・スカイウォーカーによく似ている。家族との縁が薄く、並外れた力を持っているが故に善悪両方から引っ張られ、善を為そうとする思い故にダークサイドに堕ちてゆく。ケイルはいくつもの殺人を犯すが、それは常に誰か、或いは自分を助けるだめであった。降伏を願う騎士を残虐に殺す貌と、弱き者をいたわる貌を持つ彼は、相手次第で、環境次第で、まだどちらにも転がれる未知なる存在だ。

 この世界の絶対的な存在が登場しないので、何(誰)が規範となるのかがはっきりしていない。ケイルは修道院を脱走してメシア達が堕落の都と呼ぶ街の総督の元に身を寄せるが、彼だとて善意で彼等を引き取ったわけではない。登場する人物一人ひとりに善と悪の面があり、その渦中に、精神的には未熟だが、こと殺人能力に対してははからずも卓越した技術を持つケイルが放り込まれる。戦い、恋愛、友情、当たり前ではない世界で、当たり前の事を貫こうとする時、彼がどう変わってゆくのか。彼の思惑も、彼を利用とする者達の思惑も、まだ分からぬままである。疾走感あふれる筆致で、ラストまで一直線に持っていかれた作品だ。もう一人のアナキンがダークサイドに堕ちるのか、それとも本来のサンクチュアリに落ち着くことができるのか。その時、善は、世界は。読んだ後から気になって仕方がない。



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最終更新日  November 30, 2014 09:16:37 AM
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