映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさん、こんばんは。

宮城発地域ドラマ独眼竜花嫁道中を見ました。
主演は渡辺大さんでNHK大河ドラマ『独眼竜政宗』に憧れている酒屋の倅という設定。
偉大な父親のプレッシャーを受けて幼馴染みへのプロポーズも積極的に出られない彼が、女装して花嫁道中をやることで自信を持っていく過程をユーモラスに描いています。NHKドラマですから過去の映像をふんだんに出していますがお父さんの若い頃に似てますね。


映画ブルージャスミンを見ました。


ブルージャスミン
Blue Jasmine

出演
ケイト・ブランシェット　アカデミー主演女優賞
アレック・ボールドウィン　ピーター・サースガード　アンドリュー・ダイス・クレイ
監督＆脚本
ウディ・アレン

　ジャスミンは夫ハルとニューヨークでぜいたくな生活を送っていたが、全てを失い、サンフランシスコに暮らす妹ジンジャーのアパートに身を寄せる。過去のセレブ生活にとらわれ、神経をすり減らしていたジャスミンだったが、ある日お金持ちの男性ドワイトと出会い、自分の身の上について嘘をついてしまう。

　ああ、ちょっと変だな、この人。
飛行機の中から空港の荷物置き場まで、おそらく初対面の女性に延々と話し続けるジャスミンを見た時、誰もがこう感じるはずだ。ジャスミンは一方的に自分の感想を述べる一方で相手の事を聞こうとしない。ラストもバスの停留所に座ってぶつぶつ独り言を言う彼女の姿で終わる。つまり、彼女は最初と最後でまるっきり変わっていないということになる。場所も生活環境も全て変えて新しい自分になろうとしたけれど、結局NYで羽振りが良かった頃の過去の自分から離れられない。いや、離れる事が怖いのだ。過去を見ていれば、今のみじめな自分を見ないで済む。彼女が一番安心するのは、思い出の曲「ブルームーン」やブランドものの鞄や香水に囲まれている時―すなわち過去だ。

　しかしその過去ですら、彼女の中で美化された虚構にすぎない。ウディ・アレンはサンフランシスコで妹のもとに身を寄せるジャスミンの現在と、NYで豊かな暮らしをしていた過去を交錯して描くことで、「彼女に何が起こったか」「彼女がどうして変な感じなのか」を読者に伝えてくれるが、その中で序盤では「浮気者で詐欺師の夫に騙された可愛そうな妻」であった彼女の仮面がぽろり、ぽろりとはがれていく。妹やその元夫、恋人達がその欺瞞に気付いても尚、彼女だけがその仮面にすがり続ける。その姿は滑稽で悲しい。現実に生きようとしない彼女が、安らかに生きられる場所などこの世にないからだ。

　この哀れで滑稽な女性を若くて知的なブランシェットが好演している。ウディ・アレンとは初共演にして初主演なのだからよほど見込まれたのだろう。彼の夫を演じたアレック・ボールドウィンはジュリアン・ムーアがアカデミー主演女優賞を獲得した「アリスのままで」でも夫を演じており「アカデミー賞女優の夫」などと一時期言われたことも。

映画「ブルージャスミン」
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