映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

中国天津で起きた爆発事故で「情報を公開しろ！」と一般市民が政府に向かって訴えている映像が紹介されました。
かつての中国のイメージではないですね。でも住宅地のすぐそばで、毒物が規定以上の数保管されていたというのは命に関わる問題です。「もうここには住めない」と言ったり鉄骨だけになった建物の残骸を見ていると何やら福島第一原発の事故を思い出します。

こちらも政府の隠ぺい体質を突いた映画になっています。


消されたヘッドライン
STATE OF PLAY

出演
ラッセル・クロウ　ベン・アフレック　レイチェル・マクアダムス　ヴィオラ・デイヴィス　ロビン・ライト・ペン
ヘレン・ミレン
監督
ケヴィン・マクドナルド
脚本
トニー・ギルロイ他

　　ワシントン・グローブ紙は国会議員と亡くなったある女性のスキャンダルとは別に、同じ日に起きたもう一つの殺人事件との奇妙な関連性を発見する。敏腕記者カルは、編集長に渦中のスティーヴン・コリンズ議員と接触するよう言われる。カルとスティーヴン、妻のアンは旧知の仲だった。やがて彼の調査は思わぬ事件の真相に迫っていき……。

イギリスBBCで放映された全6回のTVシリーズを「舞台をアメリカに置き換えて翻案した本作。石油会社とイギリス政界の癒着が描かれたTVシリーズに対し、民間戦争請負会社とアメリカ政界の癒着が描かれる。当初はブラッド・ピット（カル役）とエドワード・ノートン（スティーヴン役『ファイトクラブ』で共演）主演で製作が開始されたが脚本家のストライキが起こったために時期がずれ込んだ。ブラッド・ピットは作品の原題（State of play（異版作業、新聞原板の差し替え））をもじって"State of Delay" と名付けたほど。カルが殺人現場に行く途中車の中で聞いている歌"パディ・マーフィが死んだ夜The Night That Paddy Murphy Dies" は歌っているバンドGreat Big Seaのリーダー、アラン・ドイルとクロウが知り合いだったことから採用。テレビ版では編集長役はビル・ナイが演じ監督のケヴィン・マクドナルドは映画版でも彼にと考えていたが女王様も演じたヘレン・ミレンが扮する。彼女の撮影は4日間で終了。ドラマ版では駆け出しの記者をジェームズ・マカヴォイが演じている。オリジナルのカルは痩せていたのにラッセル・クロウがかなり増量しているので驚く。その意味合いは何かあるのだろうか。

　一見別々に見えた二つの事件が実は繋がっていた事を知ったカルが、友情と友人の妻への愛情、記者としての正義感に揺れる姿を描きながら、一歩先んじた何者かによって事件が闇に葬られていこうとする過程を並行して描くサスペンス。ラストにどんでん返しが出てくるのはドラマ版と同じだが、せっかく巨大な陰謀の影を感じさせてきたのに、真相がわかった途端にプライベートな問題に焦点が絞られてしまい、告発の度合いが薄まってしまったことが惜しまれる。ドラマ版と異なるのはＷＥＢ版と印刷版との新聞内部のせめぎ合いとメディアの趨勢に触れている点数。エンディングには新聞が刷られていく過程が描かれ、驚くほど人の手を経ずに新聞が出来ていることを知らされる。

(C)2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
映画「消されたヘッドライン」
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