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August 25, 2015
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みなさん、こんばんは。ブルートレイン北斗星が皆に別れを告げましたね。蒸気機関車が好きな方もいらっしゃることでしょう。この短編集には蒸気機関車が沢山出てきますよ。


動きの悪魔
Demon Ruchu
ステファン・グラビンスキ

長年鉄道で働いていた車掌が、運航が止まった場所=音無しの空間の管理を任せて欲しいと願い出る。「レールを盗まれては大変だから」というのが理由だが、訪ねてきた友人に車掌は「自分はあるものを待っているんだ」と告げる。

 映画『フィールド・オブ・ドリームス』で啓示を受けた男が野球場を作ったように、車掌はある信念を持って見捨てられた場所を整備する。ここまで書くと、何だか特別な使命を与えられた人であるかのような印象を与えるが、心配して訪ねて来た友人に車掌が「レールは生きている」と言い出す場面に至って、読者もおそらく友人と同じような感想を抱いたのではないか。「あ、この人いっちゃってる。」「来るはずのない何かを待っている」シチュエーションは、台湾の作家・甘 耀明の『神秘列車』とよく似ている。さてその結末は、おそらく読者が想像する通り。『音無しの空間(鉄道のバラッド)』は短編中唯一のハッピーエンド。ここまで愛されれば鉄道も本望だろう。

 鉄道と言えば近代技術の粋を集めたものと言う感覚で、理屈で説明のつかないもの=異世界からは最も遠いイメージだ。しかしグラビンスキにとってはそうではない。彼は、汽車のゆく先を常に現世ではない場所に設定し、乗客たちを汽車で運ぶ。汽車も今風のではなく蒸気機関車で、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』のイメージに近い。生きている人々は夢や希望の待っている新天地、或いは懐かしい人の待っている故郷へと向かうが、短編集に登場する人々の多くの終着駅は常に決まっていて、ポーランドでは見えない空間に生への執着を詰め込んだ幽霊列車が漂っていそうで怖い。


 著者はポーランド史上ほとんど唯一の恐怖小説ジャンルの作家だそうだ。ホラー作家が他にいれば切磋琢磨もできたろうに、ホラー小説を一人でせっせと書いていたのか。なんと健気な。「ポーランドのポー」「ポーランドのラブクラフト」と書かれているが、どちらかと言えば前者に近い。

 訳者後書きが面白い。H・R・ラブクラフトと著者を比較して「もしもこのふたりが知りあっていたらきっと意気投合していただろうと思うのだが、ひょっとしたら決して出会ってはいけないドッペルゲンガー同士だったのかもしれない」とまで書いている。え、出会ってもいいじゃないですか、孤高の作家だったんだから。出会ってはいけないとまで書くその根拠ってなんだろう?


 訳文の中で差別用語として用いられる言葉が使用されていたことが気になった。このような場合、巻末に何らかのエクスキューズを挟むべきでは。


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最終更新日  August 25, 2015 12:05:49 AM
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