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カテゴリ:海外のミステリー&ファンタジー小説
みなさん、こんばんは。随分と涼しくなりましたね。今日は雨が降るかと思われましたがようよう持ちました。でも週末は雨のようですね。
こちらはミステリ小説です。 ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ 犬はまだ吠えている The Dog Do Bark パトリック・クェンティン/白須清美 「耳を澄ませ、耳を澄ませ、犬が吠えている」娘ドーンが口ずさむマザーグースの童謡の如く、ある夜、外で犬が騒いでいたのに気付く医師ウェストレイク。キツネ狩りの最中、キツネ穴から頭部と両腕のない若い女の死体が発見される。狩猟用の愛馬が殺され、「何か」を知ってしまったらしい女性も命を奪われてしまう。陰惨な事件の解決に乗りだしたウェストレイクだが…。 ダルース夫妻が探偵役を務めるパズルシリーズで知られる作者パトリッククェンティンが、本国でジョナサン・スタッグ名義で書いているシリーズ。ウェストレイクシリーズは本作が日本初登場。「被害者が村で複数の男性を惑わせており、そのため容疑者が複数いる」という設定はドイツミステリー作家のネレ・ノイハウスの作品『悪女は自殺しない』と共通している。 アガサ・クリスティの『火曜クラブ』で、自分が答えを知っているミステリを開示し合う会に、弁護士や牧師、ミステリー作家に混じって医師がメンバーの中にいた。医師は人々の健康という最もプライベートな情報を知っており、かつ患者やその家族と話をするため家の事情にも詳しく、確かに探偵役にはうってつけだ。 とはいっても今回の謎は結構難しかった。さほど推理力に自信がある方ではないが、作家のリードする方にうまく乗せられてしまった。見返せばあんなにはっきりした兆候があったのに悔しい~。 さて、今回の探偵役ウェストレイクはポアロのように威張っていないし、好奇心から事件に関わるのではない。最終的に謎を解明するのは彼で、「一同あつめてさてと言い」の黄金期定番とも言える謎解きスタイルをやってくれるにも関わらず、態度はあくまで控えめだ。「我こそは」「自分が正しい!」とカリスマ感バリバリの探偵も確かに味はあるが、何だかこんなに控えめな探偵は新鮮だった。時折シェイクスピアの台詞をさりげなく口にするのもおしゃれだ。 そして彼は家に帰れば亡き妻の事を今でも思い、可愛らしいドーンから「ウサちゃん欲しい!」とねだられるよきパパだ。巻末にシリーズ作品の全解説が掲載されているが、登場人物達はある時期から年齢が進まないサザエさん状態になるらしい。いいですねぇ、永遠の少女性!今回も彼女の言葉がヒントとなって解決の糸口が見つかるが、ドロドロした大人の人間関係の対角線上で癒し効果を発揮する意外にも、いろいろ活躍してくれそうなので楽しみだ。 ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ犬はまだ吠えている/パトリック・クェンティン/白須清美【後払いOK】【2500円以上送料無料】オンライン書店boox お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
August 29, 2015 12:38:47 AM
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