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映画・海外ドラマ・本 ひとこと言いた~い

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September 20, 2015
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みなさん、こんばんは。連休をどうお過ごしでしょうか。今度巡って来る時には私も軽々と出掛けられなくなっているでしょうね。

さてこちらはちょっと不思議な人達ばかりを集めた短編小説集です。


地球の中心までトンネルを掘る 海外文学セレクション
Tunneling to the Center of the Earth
ケヴィン・ウィルソン

クイズ番組が大好きな男子生徒二人は、ある日お互いに問題を出しあっているうちに、偶然唇が触れてしまう。一方は驚き、一方は何だか別の世界に目覚めてしまったような顔だ。出会う毎に違和感を感じながらも、二人の行為は次第にエスカレートする。ただ一つ問題が。この先どうすればいいのかわからない!

 …えーと。誰か、よしながふみさんの漫画を二人に贈ってあげて下さい。それもコミケで配ってる濃厚な描写が載っているやつ。

  紹介した『モータルコンバット』の二人の男子のみならず、短編集に登場する人達は、世の中とどうもうまくやれていない。母親の強力なプッシュで入ったチアリーダークラブに馴染めず、4歳年下の男の子が気になってしまう『ゴー・ファイト・ウィン』の16歳の少女、自然発火現象で亡くなった両親を持ち自らも発火して死ぬのではないかと怯えている『発火点』の男の子…。

 彼等はおしなべて世間から「ちょっと変」と見られている。しかし彼等から見ると、世の中の方がおかしい。そしてその見方が存外間違っていないことだってある。

 例えば『替え玉』は、偽物の祖母を演じる50代の女性が主人公だ。「本当の祖母が亡くなった事をデリケートな子供に隠すため」という理由でいくつも依頼を受けてきたが、ある日祖母が生きているにも関わらず「替え玉」を依頼される。女性は初めてのケースであるにも関わらずこの仕事を引き受けるが、本当の祖母を訪ねたために、息子達のある仕打ちを知ってしまう。良心に目覚めた女性は潔く決断をするが、雇い主やクライアントからは間違っていると見られてしまう。
 真っ当な感覚を持っている読者から見れば、人間らしい感情を抱いたからこそ違和感を感じた彼女の方がまともだ。しかし世の中は彼女をはじき出すし、本当の世の中はおそらくそうした決断をするだろうな、ということを私達はよく知っている。

 「あなただったかもしれない人たち」がキャッチコピーである本書は、むしろ「こうはなりたくないな」と思う人達のオンパレードだ。しかしそんな人達の中にも、私達が「こうでありたい」「なくして欲しくない」と思える所がある。だから、ゲンジツは小説よりもっと厳しいけれど、ちょっとずれた所のある彼等にも、生きる場所がちゃんとあって欲しい!と祈らずにはいられない。











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最終更新日  October 5, 2019 10:24:47 PM
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