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カテゴリ:その他のジャンルの海外小説
今日は寒かったですね~。
さて、紹介するのはアンソニー・ホプキンス&ニコール・キッドマンで映画化された小説です。 ヒュ-マン・ステイン The Human Stain フィリップ・ロス ユダヤ系アメリカ人コールマン・シルクは古典学の教授だったが、授業に出席しない二人の学生を「幽霊(spook)」と言ったことから人種差別主義者として非難され退職する。作家であり彼の友人のネイサン・ザッカーマンは、妻の死に怒るコールマンから糾弾本を書いてくれと頼まれて、この問題に関わることになる。しかしある日コールマンは、若い恋人が出来たと打ち明ける。 初老の男性と年の離れた女性の恋愛というモチーフはロスの『ダイング・アニマル』(『エレジー』として映画化)と共通している。『ダイング・アニマル』においても若いコンスエラの方が教養高き大学教授のケペシュよりも遥かに大人であったが、本作においても学のないフォーニアの方が、迷いあるコールマンよりも全てにおいて吹っ切れている。 人に育てられたカラスが野生のカラスに溶け込もうとしても排除されるように、コールマンには、もし人に知られたら排斥される恐れのある穢れがあった。小説は早い段階でこの秘密は明かしているが、これは秘密がいつ明かされるかが問題なのではなく、その秘密を抱えながらコールマンがどのように生きてきたかがテーマであるからだ。にも関わらず、目先の正しさに囚われ、人間の本質を見ようとしない風潮の中では、コールマンの苦悩は顧みられない。 コールマン、フォーニア、フォーニアの暴力的な夫レスター、コールマン排除の先頭に立ったフランス人教授デルフィ―ヌの四人が中心となった人間関係が描かれる。映画では後者二人の描写が少なかったが、原作ではベトナム帰りでPTSDで社会と折り合っていけないレスター、名門家系のプレッシャーから逃れるために新天地にやってきたにも関わらず、大学で求められている役割とのギャップに苦しむデルフィ―ヌ、それぞれの穢れが描かれており、誰もが罪人に迷うことなく石を投げられる善人でもなければ、生粋の悪人でもない姿を晒している。そしてそれぞれが抱える問題―黒人差別、戦争後遺症、DV、大学の荒廃―がアメリカが抱える問題に繋がり、それらを穢れとして排除してひたすら浄化に進むアメリカ社会への批判ともなっている。折しもこの夏、クリントン大統領のスキャンダルが起こり、ポリティカル・コレクトネスが必要以上に強要された。 作者の分身・ユダヤ系作家のネーサン・ザッカーマンが語り手を務める、アメリカ三部作の最後を飾る作品。2009年に英国ガーディアン紙が発表した、「英ガーディアン紙が選ぶ必読小説1000冊」選出。
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