映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさん、こんばんは。

映画ロブスターを見ました。


ロブスター
THE LOBSTER

出演
コリン・ファレル　レイチェル・ワイズ　ジョン・C・ライリー　レア・セドゥ　ベン・ウィショー

監督
ヨルゴス・ランティモス


カンヌ国際映画祭審査員賞

　美しい湖を望む瀟洒なホテル。世の中では「独り身」であることが法的に禁止されており、独身者であれば身柄を確保され、とあるホテルへと送られる。そこでパートナーを45日以内に見つけなければ、自身が選んだ動物に姿を変えられて森に放たれてしまう。そのホテルに妻と離婚してシングルになったデヴィッドが送られ、パートナー探しを強いられることに。期限となる45日目が迫る中、彼はホテルに充満する狂気に耐え切れず独身者たちが潜んでいる森へと逃げ込む。そこで心を奪われる相手に出会って恋に落ちるが、それは独身者たちが暮らす森ではタブーだった。

　第68回カンヌ国際映画祭で審査員賞に輝いた異色のロマンチックコメディー。

　今でこそ結婚していなくても周囲も何も言わなくなったが、いや、少子化の名前がつく大臣もいるし、まだ言われてるのか、しかも国家から。昔はもっと親戚・ご近所など周囲のプレッシャーがすごかった。動物に変えられることはさすがにないが、対社会においてもシングルでいると家も借りられなかったり、家族の肩身が狭かったり。そうやって強制的に一緒になったとしても、本当に幸せになれるのか？

　答えは否だという事は誰でもわかる。自分の気持ちが向いた時、自然にカップルになれればいいのだ。だが、この映画、自然の中で撮影されているのに、こと人間の生活においてはナチュラルさがない。自然の中で人間だけが不自然。そして不自然な規則で縛りあげた社会に、人間をあてはめようとするからおかしくなってくる。それは、従来の規則を逃れて森にやってきたシングルの集まりについても同じだ。音楽を聴く時も踊る時も一人の彼等は、傍目から見て滑稽だ。映画で描かれるのは究極の姿だから、誰が見ても「おかしい」「変だ」と反応する。しかし、私達が気付かないうちに、じわじわと「このように暮らすのが人間としての正しい道」と外堀を埋められて、ある日身動きがとれなくなっていたら？今度は笑っているだけでは済まされなくなる。人間関係も好意も、決して強制されて生みだされるものではない。



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