映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさん、こんにちは。昨日は雨が降りましたね。
新宿に大きなバスターミナルが出来たニュースが放送されていました。
スケートは羽生君残念でしたね。
さて、今日紹介するのは実際の事件を元にした映画です。


フローズン・グラウンド
THE FROZEN GROUND

出演
ニコラス・ケイジ　ジョン・キューザック　

　1983年冬のアラスカ、モーテルの一室で拘束され半狂乱になっている娼婦シンディが保護された。彼女はロバート（ボブ）・ハンセンという男に危うく殺害されそうになったと主張するが、模範的市民のボブを警察は疑おうともしない。同じ頃、身元がわからない少女の惨殺体が発見され、事件の担当となった巡査部長ジャック・ハルコムは、ハンセンが一連の事件の犯人ではないかと疑うが……。

　1980年代にアメリカで起こり、人々に衝撃を与えた実際の連続猟奇殺人事件を映画化。12年間に24人以上の女性を誘拐し監禁、さらに暴行を加えアラスカの荒野に放って人間狩りを繰り返した犯人をジョン・キューザック、犯人の逮捕に躍起になる警官をニコラス・ケイジが演じる。

　今回ニコラス・ケイジが捜査官、ジョン・キューザックが犯人を演じているが、これは二人が共演した『コン・エアー』と逆のキャスティング。ニコラスはいかにも怖そうな犯人だったが、ジョンは一見少しも怖くない、だから怖い犯人役と対照的。

　「血も凍る」という表現があるが、本当に冷え冷えとした映画だった。まず、季節が冬で絶えず雪が降っている。次に、視聴者だけに見せられる被害者と加害者の姿が怖い。にこりともしない犯人は、若い女性がどんなに懇願しても少しも動揺しない。彼の内面吐露が一切ないため、私達視聴者も彼が怖い。妻も子供もいて模範的な市民面をしていれば、誰も彼が裏でしている恐ろしい行為なんて想像しない。妻にしても「少し頑固な所がある」くらいの印象しかなかったのでは。最も寒いのは、ヴァネッサ・アン・ハジェンズ演じるシンディの毎日。雪の降る中街角に立って、どこの誰とも知れない男に身体を売る。わずかばかりの稼ぎはヒモに奪われて、職業故か死ぬほどの目にあっても警察は本気になって話を聞いてくれない。彼女の事件がハルコムの手に渡ったのは、市警の一人の個人的な意見によるもので、総意ではなかった。誰にも守られず、誰にも信じられない彼女の一生が、とてつもなく寒かった。厄介者扱いされた事件を必死で捜査するハルコムとその部下達の
熱意、最初は嫌がっていたが次第に彼女を思いやるようになるハルコムの妻など、周囲から差し伸べられる手が、少しずつ彼女の氷を溶かす。テロップで彼女のその後が紹介された時、悲惨な体験をした彼女がやっと幸せになれた事を知り安堵した。

　エンディングは実際の被害者たちの状況「失踪　遺体発見」「失踪　未確認」などが名前と写真と共に写される。ロバート・ハンセンは2014年8月14日にアラスカの病院で亡くなっている。74歳だった。

映画「フローズン・グラウンド」
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