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April 10, 2016
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みなさん、こんにちは。NTT東日本のバドミントン部選手がほとんど賭博をやっていたというニュース衝撃でした。
先輩選手は「後輩選手にチャンスを」と訴えるけれど賭博に誘う前にその結果について考えるべきでしたね。
さてこちらはイギリスのミステリです。

月長石
moonstone
ウィリアム・ウィルキー・コリンズ

「神は命じた―月長石は、人類の世代がつづくかぎり、今後とも三人の僧によって、昼も夜も見守られなければならない(中略)この聖なる石に手を触れる者あらば、その神を恐れぬ者はもとより、その宝石を受けつぐ一族たちことごとくの上に、必ずや災がくだるであろう」


 いかにもものものしい。こういういわくつきの宝物に限って、それらを奪おうとする者が現れるのも、この類の小説ではお約束。今回の場合は、インドに遠征に行ったイギリス人ハーンカスルが、バラモンたちが守っていた月長石を奪う。やがてハーンカスルは遺言で石を姪のレイチェル・ヴェリンダーに譲るが、常に無気味なインド人の影がつきまとう。そしてある晩、秘宝は持ち主の家から忽然と消失してしまう。

 前作『白衣の女』で、語り手を次々と変えて、ある一族の秘密を解き明かしていったウィルキー・コリンズは、今回、月長石と呼ばれる類まれな宝石が辿る運命を、同様のスタイルで綴る。語り手リレー方式は、読者が他視点から物語を俯瞰的に見ることができ、かつ語り手自身のキャラクターを伝える効果的な手法でもある。
前回連載が好評だったので、コリンズも自信を得てこのスタイルを踏襲したのだろう。

 今回登場したユニークな語り手は、最初と最後に登場するガブリエル・ペタレッジだ。ヴェリンダー家の土地差配人の仕事に誇りを持っていたが、年をとったため執事に鞍替えした。英国ドラマ『ダウントン・アビ―』を彷彿とさせる厳格さで使用人に接する一方で、主一家に対する忠誠心は揺るぎない。『ロビンソン・クルーソー』を愛読し、人生で困った時の答えは全てこの中にあると信じている。基本的には善人だが、こと女性に対する見方が容赦ない。世話をするため雇った女性と結婚したが、そもそも結婚を決めた理由が「独り身だったので、食費やら給料として、毎週そこばくの金を払ってやらなければならなかった。しかし、女房になれば、食費はとるまいし、仕事もただでしてくれるだろう」というものであったり、伴侶を選ぶ基準が「食べ物はよく噛み、歩くときは大地にしっかりと足をおろす女なら問題ない」と「それ、牛と変わりないんじゃ…」と言いたくなるものだったりと、現代女性から総スカンを喰らいそうな固定観念の持ち主だ。しかし抗議の投書が殺到したという話もないので、このような考え方は、当時はそう珍しいものでもなかったのだろう。語り手の一人で、ロビンソン・クルーソーならぬ神を信じるレイチェルの従姉ドルシーラ・クラックも、「周囲からとってもイタイキャラクターだと見られているのに、自分だけがそれをわかっていない」という、こちらもなかなかスパイスの効いた女性である。語り始めると長くなるので詳細は読んで是非確かめて頂きたい。

 以上のように、なかなかユニークな登場人物達の告白を読むのは楽しいが、一方でミステリにのめり込もうとすると、物足りないと見る向きもある。何せ、見るからに怪しい行動を取る人物がいるにもかかわらず、みすみす手掛かりや証人を逃してしまったり、名探偵として名高いカッフ部長刑事すら、既に状況を察しているように見えたにも関わらず、途中で消えてしまう。その間に若い男女のロマンスが繰り広げられ、終盤近くになって、やっと月長石の行方が取り沙汰されるのだ。もっと短くできたのでは?という意見もあろう。

2009年に英国ガーディアン紙が発表した、「英ガーディアン紙が選ぶ必読小説1000冊」選出。 



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最終更新日  July 19, 2019 04:50:30 AM
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