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April 24, 2016
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みなさん、こんばんは。
マンション管理組合の理事会に行ってきました。
管理人の勤務時間を短縮してコスト削減につなげようというのですが、入居者も高齢者や外国人もいるのに
それらへのサービスが低下するのではと心配です。

さて、こちらはイギリスのミステリです。

街への鍵
The Keys To The Street
ルース・レンデル

物語はロンドンにある有名な公園リージェント・パークを行き来する複数の人物―富者と貧者―の物語が、彼等の三人称視点で同時進行する。

1.何者かから依頼を受けて暴力行為を行う薬物中毒の男性ボブ
2.支配的に振る舞おうとする恋人から逃れて海外旅行中の夫妻の留守番をするメアリ
3.交通事故で妻と娘を亡くして出版社勤めからホームレスになったローマン
4.特別な趣味を持つ主人に仕えた執事だったが 現在は裕福な家の犬達の散歩係をしている70歳のビーン

 そしてこれらとは独立した形で、公園の柵の上に路上生活者が串刺しにされる殺人事件が起きる。すわ、このうちの誰かが犯人か、それとも誰かが狙われるのか?と想像を逞しくするが、目まぐるしく変わる視点に躱されて、なかなか全容を見通すことが出来ない。

 同じ公園を行き来するといっても、彼等の経済状況はかなり隔たっている。最も裕福なのは、後に祖母の遺産を相続するメアリ。最も貧者に見えるローマンだが、自宅を売却した金を預けて路上生活を送っているなんちゃってホームレスのため、見かけとは異なる。ビーンは、ホームレス達を嫌悪しつつも、自分に犬達を預ける富裕階級の事も軽蔑しており、彼等へのサイドビジネスで金を稼ぐ。なけなしの金を薬に注ぎ込むボブが最下層。彼等が集う公園は、イギリスという国の縮図とも言える。  

 リージェント・パークはまた、人生の縮図でもある。二つの輪を中心に設計された公園は入り組んでいて「正しい方向のはずだと思って歩いていると、いつのまにか動物園やセント・ジョンズ・ウッドへ逆戻りしてしまう」が、口ばかりでなく手も出す恋人アリステアとの別れを決めたメアリは「わたしは何があろうと、以前の部屋にも、以前の人生にも戻りはしない。」と過去への迷い=公園からの決別を誓う。一方ローマンは、
「公園のなかや、公園を中心として鳥の巣のような形を作っている数々の通りを歩きながら、ときには数時間にわたって白昼夢を追いつづけることもあった」と迷路のような公園=過去から出ていく事を拒む。この後何度か出会ううちに、この対照的な二人の心理状態が変化していく関係性にも注目したい。

 更にここに、メアリのラブストーリーが絡む。メアリの恋人アリステアは、二言目には「俺が守ってやる」と、いかにも頼りがいのある台詞を口にするが、本質はとっても嫌な奴だ。例え真っ当な仕事についていようと、「どうしてこんな男と三年も暮らせたかなぁ」と頭を傾げるような相手だが、メアリ自身も自覚があるように、彼女のこんな性格が彼を増長させていたことも否めない。

「おとなしくて優しいタイプ、女らしい女、波風を立てないために譲歩し、相手をなだめて微笑し、その結果、いじめが好きな人間を増長させてしまう」


 レビュアーの中には「こんな彼女の性格にイライラする!」と感想を述べた人も少なからずいた。

そんな彼女の前に現れたのが、今度は「自分が守ってやりたくなる」ような年下の男性レオ。この三角関係の行方もみどころで、ミステリ、ラブロマンス、そして再生の物語が三つ巴となってクライマックスになだれ込んでゆく。

 二○一五年急逝したルース・レンデルの一九九六年の作品だが、メアリとアリステアの関係といい、ホームレスの置かれた悲惨な状況といい、古さを感じさせない。


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最終更新日  April 24, 2016 09:24:04 AM
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