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映画・海外ドラマ・本 ひとこと言いた~い

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May 31, 2016
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みなさん、こんばんは。5月も終わりですね。今日は涼しかったです。
みなさんのところはいかがでしょうか。
ところで
藤沢周平はお好きですか?

消えた女―彫師伊之助捕物覚え
藤沢周平

版木彫りの伊之助は、元凄腕の岡っ引き。逃げた女房が男と心中して以来、浮かない日々を送っていたが、恩義ある弥八親分から、娘のおようが失踪したと告げられて、重い腰を上げるが、おようの行く先を追う先々で事件が起こる。シリーズ第一作。

 時代小説を読んでいると、まったく現実世界と切り離して、その時代の雰囲気をまるまる楽しめる場合と、「ああこれは現代に直すと聞きこみだ」「これはリストラだ」と、現実にシフトして読める場合がある。藤沢氏の本作は後者だ。成り行きで首を突っ込んだ事件が、大事件へと繋がってゆく過程といい、「いなくなった娘」を「恋人」に変えれば、レイモンド・チャンドラーの生んだ探偵フィリップ・マーロウが活躍する『さらば愛しき女よ』に良く似ている。ストーリーだけでなく、誰の庇護も受けない主人公・伊之助のキャラクターも、一匹狼的の私立探偵・マーロウに置き換えられる。本業である版木彫りは『たそがれ清兵衛』の主人公と同じく、時間がきたらきっちりと終える癖に、一文の得にならない頼まれ事には、苦労度外視で飛び込んでゆく。臨時手札をもらえば聞き込みや捜査が楽になるのに、私事に敢えて「虎の威を借る」事を良しとしない。

「この男は、昔一たん切れたつながりを、もう一度つなぎ直してもいいと思い始めたのだ」
伊之助がかつての仲間が、まだ自分に協力してくれるかどうか探る場面や
「おようは水面の真中に浮いている藁葛のようなものだった。(中略)へたにつつけば、藁を手もとに引きよせるどころか、かえって遠くにおしやることになる」
と書かれたおようの行方を探す場面では、人と人との繋がりを糸に例えている。力任せに引っ張れば、すぐに切れてしまうような、か細い糸をたぐってゆく比喩が、この探索の難しさを言い表わしている。通りすがりに江戸の風俗が紹介されるが、本作の江戸はひとあじ違う。今まで何度も時代小説に舞台として登場してきたのに、普通の人がたやすく入り込んでいけないような場所も、そうでない場所もいっしょくたに存在する江戸は、時代も全く異なるのに、犯罪都市と呼ばれたロサンゼルスにイメージが重なる。その危険な界隈を、聞き込み、脅し、はったり、時には非合法な手段も使いながら、伊之助は進んでゆく。理屈や利じゃあ動かない伊之助の行く先にあるのは、明るい光か、それとも闇夜か。

「ダンディとはこういう事さ」と語りたげな藤沢氏の筆に酔わされてしまうが、多分こういう相手を好きになると、女は苦労させられっ放しなのだ。



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最終更新日  May 31, 2016 09:01:19 PM
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