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カテゴリ:ローズマリー・サトクリフ
みなさん、こんばんは。今日はまさかのイギリスEU離脱にびっくりしました。
誇り高き英国なんですね。円高が進んでどこまで行くのだろうと思いました。 こちらもイギリスが舞台の小説です。 ケルトの白馬 Sun Horse,Moon Horse ローズマリ・サトクリフ ほるぷ出版 オックスフォードまでは列車で行ったけれど、そこから30キロ離れたアフィントンには、行った事がない。訳者後書きを読むと、車でしか行かれないような所らしい。ならば、そこを通る観光バスでもあるかと以前集めたパンフレットを見たが、その名はなかった。観光地としてもメジャーではない、辺鄙な所なのだろう。辺鄙。巨大な白馬の地上絵が、二千年もの年月を生き残った理由の第一は、それだろう。交通の便が悪い所には、産業革命の際に工場が建てられる事はない。戦争中の空襲でも、破壊すべき建物もない。しかし、もっと以前の時代、槍や剣を持った武将達は、なぜここに城を作らなかった? それよりも、天変地異は、どうしてこの絵を避けたのか? 紀元前1世紀頃、イケニ族の族長ティガナンの末息子として生まれたが、先住民の血が流れているしるしの褐色の肌をしている少年、ルブリン。何らかのハンデのために、仲間から疎外される少年は、サトクリフ作品に良く登場する。彼等は大抵の場合、ハンデをものともしない行為によって皆の尊敬を集める。そして、仲間として認められ、真の友情を築く。ところが、ルブリンの場合は違う。狩りをして一人前とされる部族の中で、絵を書く事が好きなルブリンは、自分が本当に好きな絵への想いを、親友で義弟のダラとさえ、共有できない。そして、彼の力量と想いを唯一理解し得た存在は、彼の父や部族を殺した、いわば仇であるアトレバテース族のクラドック。部族の中の『黒い子犬』呼ばわりされていた彼は、戦の後、まずクラドックから部族の代表と見なされる。一方、捕えられた同胞は、ルブリンを敵に寝返った男と見る。敵から受ける尊敬と共感。味方から受ける敵意と軽蔑。時に入れかわる、このねじれた関係が、ルブリンを一層の孤独へと追いやり、そして一方で、かつて見た白馬への想いが純化されてゆく。研ぎすまされた2つの想いが頂点に達するクライマックスに、ルブリンの抱く喜びと悲しみ、二つの思いがぶつかる。 あ、この力だ。 この力こそが、白馬に命を与えたのだ。 ただ一頭、力強く前足を大きく踏み出して、どこまでも駆けてゆきそうに見える白馬。自由を得る代わりに孤独を引き受けた馬は、褐色の肌をした少年と逢う。我々の目には見えないけれど、同じ魂を持つ少年と馬は、きっと今もあの緑の丘を、共に駆けているに違いない。 【楽天ブックスならいつでも送料無料】ケルトの白馬 [ ローズマリ・サトクリフ ]楽天ブックス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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