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July 17, 2016
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みなさん、おはようございます。連休中いかがお過ごしですか?
トルコでも軍事クーデターがありましたね。すぐ制圧されましたが死者が出ました。
こちらは古代中国の物語です。

香乱記〈中巻〉
毎日新聞社
宮城谷 昌光

 章邯、という将がいる。

 いま、『将』と書いたが、登場してきた時の彼は、税を司る官に過ぎない。
既に、勇猛な将軍・蒙恬を処刑していた秦の二世皇帝・胡亥は、迫りくる反乱軍に対して、成す術もなかった。そんな危急存亡の秋だからこそ、受け入れられたのだ。全く軍事経験のない章邯の「強制労働をしている囚人を許して兵とし、反乱軍を撃つ。」という映画『特攻大作戦』のワイド版のような訴えが。この時章邯を動かしたのが、国=秦に対する愛でも、皇帝に対する忠誠でもなかった事が面白い。彼はただ、「一度でよいから万を越える兵を指揮してみたい。」とのみ望んでいた。皇帝の「駄目でもともと」の思いと、章邯の極めて個人的な願いが奇跡的に結びついた事で、かくて、晴れて『将』となった章邯が、歴史の表舞台に登場する事になる。

 後年、丞相・趙高に馬を鹿だと謀られても、自分がおかしいと思い続けた胡亥。『馬鹿』の語源となるエピソードといい、どこまでも暗君のイメージが強い胡亥だが、そんな彼のたった一つの決断が、秦の滅亡を瀬戸際で止めるのだから、歴史というのは、実に不思議な采配を振るう。歴史の不思議に弄ばれたのは、何も章邯ばかりではない。本作の主人公・田横も有為転変を繰り返す。あわや殺される所を、奇跡的に皇太子・扶蘇の娘に救われ、その縁で扶蘇の傍近くに仕える。そのままいけば、彼は次帝の側近となる行く末も考えられたが、扶蘇の自刃によりその道は閉ざされる。

 地上の動きはあまりにもめまぐるしい。登場人物達は、そろって空を見上げる。田横は「三人とも王になる。」と言われて空の星を仰ぎ見る。最初に王になった田横の従兄も、最期の時を迎えるにあたり、夜空の星を見る。そして、章邯もまた、複雑な思いで十二月の満天の星を見る。疲れた心身を休めるためか、それとも行く末を問うたのか。

 常勝の道を歩み始めた章邯は、大軍にも驕らず、将兵達の気を常に守り立て、窮地に入れば入るほど、才が煌めく。このような知謀に長けた名将に、果して敗北の時など訪れるのだろうか?と思うが、空高く輝いていた星でさえ、季節が変われば沈むように、地上の星、群雄達も、やがて後から昇ってくる星にとってかわられる。

 将軍になって三年目、章邯が対するのは、自らが殺した項梁の甥、項羽。自軍は二十万、項羽軍は五万余。数の上から考えれば、勝つのはどちらか明白である。果して歴史上はどうなったのか。その時、何が決断の決め手となったか。中巻を最後まで読み終え、是非その結果を確かめられたし。



    出版社   毎日新聞社   著者・翻訳者   宮城谷 昌光 (著)   初版発行日   2004-02-01【中古】香乱記〈中巻〉KSC






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最終更新日  July 17, 2016 07:39:12 AM
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