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September 4, 2016
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みなさんこんばんは。
みなさんは、ディズニーの『101匹わんちゃん大行進』を見たことがありますか?
今日紹介するのは、その原作者が書いた自伝的小説です。


カサンドラの城
I Capture the Castle
ドディ―・スミス

 「ヤコブの闘い」という本を書いて以来、沈黙を続ける作家の父ジェイムズ。元モデルの継母トパーズ。美人のお転婆娘、長女ローズ。学校に通う弟トーマス。お城の雑用を一人でこなす青年スティーヴン。そして物語の主人公、次女カサンドラ。「六ペンスのノート」「一シリングのノート」「二ギニーのノート」という3つのノートに書かれたカサンドラの日記には、
総勢6人、イギリスの古城に住むモートメイン家の日常が綴られる。

 椅子や皿の有無も確認せず、平気で客をディナーに招くジェイムズ。父を盲目的に熱愛し、時には夜に裸で外を闊歩するトパーズ。綺麗にしたいお年頃ゆえ、貧乏に最も嫌悪感を抱くが、自他共に認める労働者には不向きなローズ。城を吹き抜ける寒い風に、貧乏を嘆いた次の瞬間に「外に降る雨がベールのように塔を覆っている」とロマンティックにひたるカサンドラ。唯一、学校という社会と接する場を持っているトーマスを除いて、彼等は、一風変わった暢気もの。

 そんな人が1人いるだけでも大変なのに、家族の中に4人も揃ってしまったものだから、毎日がボードヴィル・ショーか、シットコム。またそれを、カサンドラがウィットをきかせた文章で、面白可笑しく描くものだから、読んでいるこちらは、笑いを堪えるのが大変。さらに、類は友を呼ぶのか、一家よりも働いているのに、一銭も給料を貰わず、逆に他で働いた給料で、一家に食べ物や贈り物を買う、究極のいい人スティーヴンや、ジェイムズのファンで、本を届けてくれる司書のミス・マーシーまで、彼等のまわりには、いい人が集まってくる。そんな、物語の中にしか存在しないような別世界は、城と近所の屋敷の持ち主である二人の裕福なアメリカ人ニールとサイモン兄弟の登場により、にわかに変化し始める。

 イギリスの城や姉妹達に惹かれる金持ちのアメリカ人兄弟は、ヘンリー・ジェイムズの「金色の盃」「鳩の翼」にも描かれた、湯水のように金を使って、憧れのヨーロッパの美術品を収集するアメリカ人の姿と重なる。そして本書では、モートメイン家に現実を持ち込む存在だ。ジェイン・オースティンの「高慢と偏見」「分別と多感」(映画『ある晴れた日に』原作)等の一連の小説に描かれる、年頃の女性達の近所に男性が現れるシチュエーションは、物語の一節をしょっちゅう引用するローズとカサンドラにとって、正にバイブル。当然これらの小説を読んでいて、小説のヒロインに自分をなぞらえる。
小説に書かれた恋の手練手管を実践するが、所詮架空の悲しさ、あえなく失敗する。物語より遥かに厄介な本当の恋愛によってローズとカサンドラは、嫉妬や切なさ、胸の痛みを体験する。そしてカサンドラは、自分の子供時代の終わりをも、痛みと共に実感する。

 二人の他、彼等の両親や、スティーヴン、彼に思いを寄せる女性、それぞれの人生が、一人も疎かにされていない。だから、物語世界から現実世界に移行して後も、誰一人として心底から嫌いな人物が登場しない。作者の登場人物への豊かな愛情が感じられる。

「101(ワン・オー・ワン)」の原作者の、自伝的要素の強い作品。今まで翻訳されたのが不思議なくらい。もっと早く世に出てもよかった。 

 2009年に英国ガーディアン紙が発表した、「英ガーディアン紙が選ぶ必読小説1000冊」選出。2003年映画公開。日本未公開。


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最終更新日  September 4, 2016 12:10:24 AM
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