映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさん、こんばんは。日本シリーズは2勝2敗ですね。今日は最後の夏日だそうです。明日から寒くなるとか。

映画チョコレートドーナツを見ました。

チョコレートドーナツ
ANY DAY NOW

出演
アラン・カミング　フランセス・フィッシャー


　1979年、カリフォルニア。ある夜、ポールはシンガーを夢見ながらもダンサーとして働いているルディと出会う。ふたりはすぐに惹かれあい、たちまち恋に落ちた。ルディが暮らすアパートの隣には、ダウン症の子ども・マルコが住んでいた。ある夜、大音量で音楽をかけっぱなしのままマルコをひとり残し、薬物依存症の母親は男といなくなってしまう。ルディはポールに助言をもらおうと、ポールが働く検事局に向かう。しかし、ポールからは、「家庭局に連絡してマルコを施設に預けろ」と言い捨てられる。失望したルディがアパートに戻ると、マルコの母親は薬物所持で逮捕されていた。そして、マルコはお気に入りの人形・アシュリーを抱きしめたまま、強制的に施設に連れて行かれてしまう。

　夜、誰もいない通りを歩く少年の後姿がまず映る。少し歩くと彼が女の子の人形を持っているのが見える。この映像は、後でもう一度出て来る。この時のリフレインなのか、それとも、少年にとってはこれが日常茶飯事で、別々の日のことだったのかは、分からない。

　子供にとって「愛してくれる人、一緒にいたい人と暮らす」のがベストだということは、誰もがわかっている。しかし、必ずしも愛してくれる人が実の家族であるとは限らない。親になりきれない大人が起こした悲惨な事件を、私達は何度も見て来た。にも拘わらず、最後の最後で子供達の本心を聞こうともせずに、映画の中の‘良識ある大人たち’は固定観念にしがみついてしまう。何かあった時、責任を取らなくていいから、きっとその方が楽なのだ。ルディとポールとマルコは他人同志だったが、愛し合っていたし、三人ともそれを知っていた。それなのに、世間の常識という偏見が、彼等の幸せを引き裂いて行く。私達は引き裂いて行く側に立つのか。それとも彼等を支える側に、ためらわずに立てるのか。

　1970年代のアメリカ・ブルックリンで実際にあった「障がいを持ち、母親に育児放棄された子どもと、家族のように過ごすゲイの話」。本作はモデルになった男性と同じアパートに住んでいたジョージ・アーサー・ブルームによってシナリオ化された。映画のラストはああだったけど、現実はどうだったのだろう。彼等はすべてのしがらみから、解放されたのだろうか。

映画「チョコレートドーナツ」
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