映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさん、こんばんは。街は少しずつ紅葉しています。
日も短くなりました。日が長い夏はいろいろなイベントもあったのにね。
例えばアメリカではこんなイベントもありました。映画では、とあるイベントで街が休業状態の時に、一組の親子の元に訪問者がありました。


とらわれて夏
LABOR DAY

出演
ジョシュ・ブローリン　トビー・マクガイア　ケイト・ウィンスレット　J・K・シモンズ
監督＆脚本
ジェイソン・ライトマン

　　9月初めのレイバーデーの連休が迫る、アメリカ東部の閑静な町。シングルマザーのアデルとその息子である13歳のヘンリーは、逃亡犯のフランクと出くわしてしまう。絶対に危害は加えることはないという言葉を信じ、アデルは彼を自宅にかくまうことに。やがて、家や車を修理し、料理を作り、ヘンリーに野球を教えるフランクに安らぎを覚え、魅了させられていくアデル。そして、人生を大きく変えかねないほどの重大な決意をする。

　オープニング、車の運転席の視点でカメラは町に入って行く。やがて車は一つの家の前で止まる。アデルとヘンリーが暮らす家だ。この映画は金曜日から火曜日までの5日間、この家で起こる物語を追う。

　いやぁ、この人本当に人を殺した脱獄囚なの？と序盤のフランクを見て誰もが思うだろう。何せ、アデルを縛ってはいるものの、手際良くひき肉と野菜の炒め物を作ったかと思えば、口あーんさせてぱくりと入れるわ、家の痛んでいる所をちょこまかと修理するわ、おいしいピーチパイを作ってくれるわ。まるで理想のパパじゃないか！大体、アデルは店から彼と一緒に大人しく出て来るが、度胸のある女性だったら、あれくらい周囲に人がいれば、大声で叫べばあっという間にフランクを捉えていたはずだ。そうしなかったのは、二人の間に既にある物語が始まっていたからなのか。

　だが、この映画は二人だけの物語ではない。この物語は成長したヘンリーの視点で語られており、彼の物語でもある。「僕にとって本当の家族はママだ」と情緒不安定な彼女を子供ながらに守ろうとするヘンリーは「当時はまだ一日夫を演じるには子供過ぎた」事を実感する毎日を送っていた。そこに現れた訳ありのフランクによって、この家に欠けていたものに気付く。不幸な出会いさえなければ、もしこの3人が最初から家族になっていれば、悲劇は避けられたかもしれない。でも、不幸な出会いがあったからこそ、本当の幸せに気付く事が出来た。

　さて、フランクは勿論いい男だが、もう一人いい男が出て来る。ヘンリーの実父だ。「お前は今何に夢中なんだ？」と聞いて「ダンス」と答えたヘンリーが困った立場に追い込まれたり、今の妻子との間で気を使ってヘンリーとの会話がとてもぎこちない、外見同様情けない姿を晒していた。しかし最後に彼が自分とアデルとの出会いについてヘンリーに話す件がある。相手を自分と対等の存在と認め、母親を悪者にすることもせず、率直に語る姿はとても格好良かった。つまり、アデルは男性を見る目があったということだ。


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