映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさん、こんばんは。列車の旅って昔より随分と早くなりましたよね。
列車を舞台に撮られた映画は結構多いですね。こちらもその一つです。


特急二十世紀号
Twentieth Century

出演
ジョン・バリモア　キャロル・ロンバード

脚本
ベン・ヘクト　チャールズ・マッカーサー

監督
ハワード・ホークス

　売れっ子プロデューサーのオスカーは、周囲の反対を押し切って下着モデルあがりの金髪娘リリー・ガーランドを主役に抜擢。オスカーの猛特訓の甲斐あってリリーの舞台は大成功。彼女は一躍売れっ子になりオスカーとも恋仲に。ところが嫉妬深いオスカーのせいで破局し、リリーはハリウッドへ。数年後、シカゴでの興行が失敗したオスカーは借金取りに追われNY行きの列車特急二十世紀号に乗っていた。偶然リリーも乗っている事を知ると、オスカーは彼女を新作の舞台に出演させて逆転を図ろうとするが…。

　劇場、リリーの部屋、列車の中など固定された場所での舞台が多く続くなぁと思ったら、ベン・ヘクトとチャールズ・マッカーサーの舞台劇が元だった。元祖スクリューボールコメディーと言われているが、どちらかというと「Screw」というより「Screaming＝叫ぶ」と言いたくなるくらい、登場人物が喚き、叫ぶ。主役二人が舞台女優とプロデューサ―（俳優もできる）とあり、エキセントリックな性格に設定されているが、それでも叫ぶシーンが多い。中でも際立っているのがジョン・バリモア演じるオスカー。気分がころころと変わり、何度も登場する彼の決め台詞もこの映画のポイント。
例えば「稽古中に舞台の上で私が何をしようと何を言おうと愛するが故だ Now, before we begin I want you all to remember one thing. No matter what I may say... no matter what I may do on this stage during our work... I love you all.」
友人にして同僚のオリバーに対する「裏切り者め　出ていけ　お前の前では鉄の扉を閉める　お前の奥さんが来ても許さんからなGet out of my theatre, you gray rat! And don't have that fat wife of yours come around again, pleading for you!」という台詞と、首にした事を忘れてすぐ仕事を言いつけるシークエンス。

紆余曲折を経てオスカーの新作に出演することになったリリーに、さっそくオスカーがケチをつける
「ハリウッド暮らしで何もかも忘れたな」「相変わらずだ　先が思いやられる」リリー「ハリウッドでは誰もが私に頭を下げてたのよ！」
金に眼がくらんでハリウッド＝映画に飛び込んでも、本当の演技は舞台でしか学べない、とする舞台俳優の映画に対する根強い差別意識もテーマの一つであり、
またそんな舞台俳優を映画で描くというのも皮肉が効いている。

映画「特急二十世紀」
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