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June 7, 2017
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みなさん、こんばんは。
日本にはいろんな橋がありますね。例えば日本橋。橋がこれだけあるのだから
人間ドラマもあったことでしょう。
そんなドラマを描いた短編集です。


橋ものがたり
藤沢周平

ブルックリン橋やウォータールー橋くらい大きければ、対岸との距離も感じられ、橋を渡った実感もあるが、都内の橋は慣れっこになってしまっているのか、普段あまり意識する事なく渡っている。

 しかし昔、橋はそれほどありふれた存在ではなかったため、よく待ち合わせ場所に使われた。待ち合わせとくればその相手は大概恋人。というわけで短編集は殆どが恋物語。『約束』では16才の時に「5年経ったら萬年橋の上で会おう」と約束した幸助が、幼馴染みのお蝶を待っている。会える自由時間があるわけではなく、ましてや頻繁に連絡が取れる手段がない時代のこと。その時、その場所に行かなければもう二度と相手に会えなくても不思議ではない。5年の間にいろいろあって、もう約束した時の彼等とは違っていると悩みつつも、橋は二人にとってたった一つの希望である再会の約束と結びついた重要な場所として、彼等の心にぽうっと浮かぶ。

 また本作では、橋は二つの世界を繋ぐ存在として象徴的に使われ、しばしば主人公に人生の選択を迫る。それは主人公の年令に関わらない。「小さな橋で」の広次は、まだ「できている仲」の意味もわからない11才。でもそんな彼にとっても、橋を越えるか越えないかが、これから自分が誰と暮らすかを決める重要事となる。「小ぬか雨」で見知らぬ男を成り行きで匿ったおすみにとっては、思いがけない恋に歩むか、それとも許嫁との結婚が待っている家に戻るかが橋のどちらに向かうかで決まる。「氷雨降る」では隠居した吉兵衛が大川橋で助けた女おひさを色欲抜きで守り通す。しかし全てが済んだ後彼はおひさと出逢った橋に佇む。「浅草の方には、まだ灯明かりがにじんでみえたが、本所側は暗くて墨のような闇があるばかりだった」自分の行きたい場所はわかっているが、やはり行くべき場所は「荒涼としたものが待ち構えている気配がする」側しかない。橋を越えれば、希望もあるが危険もある未知の人生。橋を戻れば、代わり映えしないが、安心感がある既存の人生。或いは、橋を渡る事が過去に戻る事を意味する場合もある。渡る選択、渡らぬ選択、いずれも出てくるが、どちらが正しいかを決めつける書き方はしていない。選んだ人が、その結果を一切合切引き受ける決意をしているから、つまりはそれで良いではないかという事だろう。橋を象徴的に捉えた物語は、澤田ふじ子さんの『橋』シリーズに受け継がれている。

 橋に佇む彼等を見ていて、ふと我が身を振り返る。
自分は今まで、いくつ橋を渡り、また渡らずに来たのだろう。


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最終更新日  June 7, 2017 12:00:20 AM
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