映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさん、こんばんは。
ジャック・ヴァンスの小説をもう一つ紹介します。

スペース・オペラ （ジャック・ヴァンス ・トレジャリー）
Jack Vance Space Opera
ジャック・ヴァンス
国書刊行会

　今日も今日とて未知の惑星ルラールから来た〈第九歌劇団〉の素晴らしい演奏を堪能していた観客たち。ところが、彼らは突如姿を消してしまう。「実は、彼等は変装した地球人では？」疑惑を払拭するため、オペラの後援者デイム・イサベル・グレイスは、地球の歌劇団をひきいて様々な惑星をめぐる宇宙ツアーに乗り出すことを計画。イサベル・グレイスならびに歌劇団の面々とともに宇宙船ポイボス号に乗り込んだのは、〈第九歌劇団〉を招いた団長にして宇宙船船長アドルフ・ゴンダー、音楽学者バーナード・ビッケル、イサベルの甥のロジャー・ウール、そして謎めいた美女マドック・ロズウィン。未知なるフロンティア―宇宙に乗り出した彼らを待ち受けるのは、大成功か大失敗か大騒動か!?

　スペース・オペラとは、宇宙空間で繰り広げられる騎士道物語的な宇宙活劇のことだ。代表的なものには、あのスターウォーズ・シリーズなどが挙げられる。ところが、ジャック・ヴァンスは文字通りの意味＝宇宙を旅する歌劇団を持ってきた。もちろんこれには皮肉が効いていて、本作には騎士道精神溢れるカッコいいヒーローなぞ登場しない。ヒーロー候補たり得るのは、イサベル・グレイスの甥ロジャー・ウールだが、自分では稼ぐ才角がなく、あわよくば金持ちの叔母のおこぼれを貰おうと思っている。抜けてる所も含めて、もろP・G・ウッドハウスのジ―ヴスシリーズのお坊ちゃま、バーティそっくり。せっかく、訳ありで乗組員達を翻弄しそうな峰不二子タイプの美女がいるってのに、勿体ない！

　「未開の地に私達の優れた文化を聞かせてあげましょう」というテイコクシュギ的な考えが根底にあるイザベルが旗振り役なのだから、惑星を巡る歌劇ツアーの結果も推して知るべし。固定観念を根底から覆される出来事のつるべ打ちに、何とか体面を保とうとするイザベルが滑稽でたまらないが、存外、現在のセレブだって変わりはない。他「新しい元首　The New Prime」「悪魔のいる惑星　The Devil on Salvation Bluff」「海への贈り物　The Gift of Gab」「エルンの海　The Narrow Land」収録。


【楽天ブックスならいつでも送料無料】スペース・オペラ （ジャック・ヴァンス ・トレジャリー） [ ジャック・ヴァンス ]楽天ブックス

苺とバジルのジャム・フルーツジャム・手作りジャム・コンフィチュール・ギフト・フランスパン・苺・苺ジャム・バジルのジャム・ヨーグルト・無添加・ハーブジャム・低糖ジャム・高級ジャム・贅沢ジャム