映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさん、こんばんは。とうとうイヴですね。
そして明日にはクリスマスケーキがやたら安く売られるという…(シビアだ)。
さて、貧乏お嬢様シリーズ、カップル成立したはいいものの、まだまだ事件に巻き込まれる二人の物語です。

貧乏お嬢さま、恐怖の館へ
コージーブックス
Heirs and Graces
リース・ボウエン

前作『貧乏お嬢さまのクリスマス』で母親から「自伝の執筆を助けて欲しい」と言われロンドンに来たジョージィ。しかし、いざ書き始めたら、あれもこれも相手絡みで公にできないエピソードばかり。母親は恋人からの誘いに気もそぞろで、居場所に困ったジョージィは王妃に支援を求める。すると「オーストラリア出身で突然公爵家の未来の跡継ぎとなったジャックの教育係になるように」という新たな任務を与えられる。

　ドラマ『ダウントン・アビ―』以外久々に「週末なんて」の台詞を聞いた。「恐怖の館」などとタイトルが冠されると「ホーンテッドハウスにでも行くのか」と思われそうだがさにあらず。ジョージィ自身にとっては恐怖・脅威となるものは感じられず、むしろ限嗣相続制によって屋敷を追われそうな公爵家の住人達が、新たな後継者に恐怖・脅威を抱いているといった方が正しい。オーストラリアからジャックを連れて帰り、ジョージィを推薦したのもダ―シ―なので、当然の事ながら都合よくも彼もやって来る。さぁ役者が揃った！という所で殺人事件発生。容疑者は凶器から見れば簡単に見つかるが、そうではないと確信するジョージィが、前作に続いてダ―シ―に「警察に任せておけばいい」と言われながらも独自に捜査を開始。今度は祖父にまでたしなめられている。

　今回の犯人達の扱いに不満な読者も少なからずいたようだ。まあ人ひとり殺しているのだから無罪放免というのは、どんな理由であれ納得がいかないし、殺人の重みについてももう少し強調しておく必要があったのではないか。ただ、この点を突き詰めるととんでもなくシリアスなテーマに踏みこみそうなので作者が避けた可能性も否めない。


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