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みなさん、こんばんは。やっと日本にメダルが！高梨沙羅ちゃんはよかったね！

さて、こちらは死ぬか、毒見師として生きるかを迫られたヒロインのシリーズものです。

毒見師イレーナ
Poison Study
ハーパーBOOKS
マリア・v・スナイダー

　将軍の息子を殺したイレーナは殺人犯として収監されるが、防衛長官ヴァレクにある申し出をされる。｢最高司令官の毒見役を務めるか、処刑されるか、選べ。｣自分の行為を後悔していないイレーナは、少しでも生きられるチャンスを望んで前者を選ぶ。その時から誰も信じられない彼女の苦闘が始まった。

　国王を倒した革命政権下で魔法は禁忌とされているという、ファンタジーにしては珍しい設定だ。と思ったら、途中から魔法が登場してヒロインに深く関わってくる。

　犯罪者で、死んでも代わりの者はいくらでもいる。取るに足らないどん底の立場だったイレーナが、実はある能力の持ち主だった。いわゆる貴種流離譚の一種で、彼女の出生は次巻にて明らかになる。誰が敵か味方かわからない中で、人柄と能力と努力で、イレーナは少しずつ味方を増やしていく。困難にぶつかればぶつかるほど強くなっていくヒロインの典型で、共感を得やすい。

　申し出を受け入れたイレーナにそうと知らせず毒を仕込み「解毒剤が欲しければ毒見役を務めること」と命じるヴァレクが、冷酷無比でクールで彼女にきつく当たっていたのに、途中でどんどんデレてくる。ヒロインもなぜかわからないが彼の事が気になって(いや、読者は理由はわかってるが）折角自分のルーツを見つけられるチャンスをふいにする。ヒロインが十代で相手役が三十代の年の差カップルなので、もう少しヴァレクにはツンのパートを割り振って欲しかったが、作者の娘達には彼が大人気だったらしい。秘密を持っている最高司令官の葛藤もどこかで解けてくるのだろうか。


毒見師イレーナ ハーパーBOOKS / マリア・v・スナイダー 【文庫】ローチケHMV 1号店