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February 28, 2018
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みなさん、こんばんは。
羽生君の外国人記者クラブの会見を見ました。
堂々としていてさすがですね。

さて、本日はローズマリー・サトクリフの作品を紹介します。

イルカの家
The Armourer's House
ローズマリ・サトクリフ

 サトクリフといえば、やはり『第九軍団のワシ』『銀の枝』『ともしびをかかげて』が有名である。ローマン・ブリテン三部作と呼ばれるこれらの作品の主人公達は、イルカの紋章がついた指輪を次世代に渡してゆく。だから、タイトルに「イルカ」が使われている本作は、てっきりその指輪を受け継いだ子孫が、活躍する物語だと思っていた。

 なのに今回は十六世紀のイギリスが舞台で、しかも主人公はタムシンという女の子。これでは冒険譚はあり得まい。

 そもそも男の子と女の子は、日々の生活からして違うのだ。
両親を亡くしたタムシンは、ロンドンで鎧師をしているギディアン叔父一家と暮らしている。従兄ジャイルズは朝食を済ませると、セント・ポール学校に行き、タムシンと従姉のベアトリクスは家でデボラ叔母に勉強を習う。クラヴィコードの練習があり、最後に刺繍をしながら聖書を読んでもらう。それが終わると買い物。
普段の生活が違うのだから、しぜん、男の子と女の子では、「なれるもの=将来」が違ってくる。
自分の船を持つタムシンの叔父・マーティンが、彼女に言う通りだ。
「きみが男の子だったら、(略)きみをロンドンにやろうなんていう変わったことを思いつかなかっただろうよ。きみはぼくの家に住んで、大人になったら、<冒険のよろこび号>の船長になれたんだ。」

しかし男性であっても女性であっても、「なれるもの」に枷はかけられても、「なりたいもの」を望む心には、誰も歯止めをかけられない。一緒に夢を育ててゆける仲間と出会えたなら、尚更だ。衣食住の面倒を見てもらいながらも、タムシンは、「自分は家族の一人ではない。」と疎外感を感じていた。しかし、意外な所で夢を共有できる相手と出会って、お互いに逞しくなってゆく。
今までのサトクリフ作品の男性主人公が、同年代の少年達と友情を育みながら、成長していったのと同じようにだ。そして、これもまたサトクリフ作品の特徴の一つだが、歴史上の人物との出会いも果たす。ヘンリー八世と王妃アン・ブリンがグリニッジからロンドンへ、川を昇ってくる所を見る事ができたタムシンは、誰も好意的な目で見なかった王妃に対して、「王妃さま、ばんざい!」と声をかける。他が「悪い王妃」と言おうと、自分の目と心を信じるタムシンは、もう孤独と自信のなさに怯えている、昔の彼女ではない。そこには、自分の強い意志によって、無謀に思われる望みに向かって一歩一歩近づいていった、歴代サトクリフ主人公に勝るとも劣らない、凛としたヒロインがいた。イルカの指輪に託された冒険への飽くなき思いは、時代を越えて、ちゃんと受け継がれていたのである。



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最終更新日  February 28, 2018 12:01:10 AM
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