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カテゴリ:海外のミステリー&ファンタジー小説
みなさん、こんばんは。すごい風でしたよ。みなさんのところはどうでしたか?
さて、もう一人のおばさんも怖いですよ! マライアおばさん Black Maria ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 徳間書店 「まー、○○ちゃん、元気?」 たいがいこれが、たまに会う叔母様達の第一声。続く言葉はこちらの年齢に応じて 「勉強はどう?」「仕事うまくいってる?」 果ては「いい人いないの?」までさまざま。 けれど、 「あんまり聞かないで欲しいなぁ」 って質問をされた時に苦笑する以外は、幼い頃は、盆暮れ毎にお小遣いをくれた。基本的には、ありがたき存在。でも世間では、そういう無害の叔母さんばかりではないようだ。本書に登場するマライヤ叔母さんは、その綴り=Maria(キリストの母、マリアと同じ)とは異なり、慈愛と博愛とは無縁の人。彼女が求める愛はただ一つ、自己愛。 恋人ができたお父さんが行方不明になってから、お父さんの義理の叔母にあたるマライアおばさんが、毎日しつこく電話をかける。子供達は慣れたもので、そんな叔母さんをうまくあしらっていたが、ある時人のいいお母さんが電話に出たばっかりに、せっかくの休暇に、一家でおばさんを訪ねる事になってしまう。おばさんの住む海辺の町は子供が一人もいないし、男の人はみんなゾンビみたい。元気なのはおばさん連だけ。おまけに幽霊まで出る始末。 ジョーンズ作品で、絶対求めちゃいけないものが二つある。素直な子供と、模範的な両親。本作も例に漏れず、冒頭から父親は若い女性と家を出てしまう。女性の名前はヴェリナ・ブランド。「ヴェリナ」は誠実、「ブランド」はおとなしいという意味。こちらもどうやら、意味と実体が裏腹だ(と、少なくとも二人の母親は思ってる)。ミグの兄クリスの本名は、クリスチャン。キリストから派生した、キリスト教徒という意味があり、人間を指す。『魔女と暮らせば』で、わざわざ主人公をキャット=猫と名づけたジョーンズだから、この手の名前遊びはお手のもの。叔母さんの住んでいる番地が13、叔母さん達が皆で13人。うわ、なんていう数字。 「小野不由美の『黒祠の島』じゃあるまいし。そんな気味の悪い所、孤島じゃないんだから、さっさと出ていけばいいじゃない。」 おばさんのあまりの横暴ぶりと、なかなか行動を起こせないヒロイン側に、キレてこう言いたくなる。けれどヒロイン、ミグはどちらかといえば、書く事が好きなタイプで、『魔女と暮らせば』のグウェンドリンに比べれば、数段おとなしい。それに頼りの唯一の大人−母親が、全く叔母さんに適わない。 「〜は、しなくてもいいからね。」と一旦は言う。けれど本当は、「して欲しい」のがありあり。だから最後には、良心の呵責にかられて、相手は「しなくてもいい事」を「しなければ悪い事」に思わされてしまう。この時の叔母さんの言い方が、またうまいんだ。さらに、表紙のように上品な紫の服をまとって、微笑みながら言われたら、そりゃあ、嫌とは言えないでしょう。「これほどじゃないけど、いるいる、実際にそういう人。」と思っていたら、何と今回のおばさんのモデルは、ジョーンズ自身の叔母らしい。彼女の死後でなければこの本を書けなかったくらいだから、きっと本物の威力って、本作以上だったんだ。やれやれ、ジョーンズ、ご愁傷様。 主人公達が町を出られず、横方向にあまり動き回るシーンがなかったからか、いつもジェットコースターのようだと感じているジョーンズの話は、今回はホーンテッドマンション(お化け屋敷)をぐるぐる回ってた感じ。とはいえ、普通のお化け屋敷より、数倍毒気は強かったけど。 今回は楽しみにしていたのに佐竹さんの人物紹介のページがないのが残念。 マライアおばさんぐるぐる王国DS 楽天市場店 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
April 16, 2018 05:06:27 PM
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